脱・PDCAの試み
「PDCA」というのは仕事の進め方のひな形を提供する。Plan-Do-Check-Actionを繰り返し、軌道修正しつつより良くして行く、みたいなもんだ。ところが日本の場合「P=計画」を守ることに固執しすぎ、一周回る頃には世の中のトレンドから一週遅れということが良くある。要はPDCA自体もはや時代遅れである。ちなみに日本企業は意思決定が遅いとよく言われるが、この遅さはPDCAの遅さと相互に都合が良いことに注意すべきである。
さておく。
マーケットのトレンド、ベクトルを掴んで先手を打つには、トレンドに敏感に反応するアンテナを持つか、トレンドを作るかである。トレンドを作るにはこれまでのマーケットが歩んできた流れ「ベクトルのふらつき」を全て把握しておかねばならない。ことエレクトロニクスに関する限り、「集約して手のひらへ」というのが基本的には大きな流れになっている。次は多分、その中で起きたムーブメントを人工知能に解析させ、人工知能に「ムーブメント」自体を作らせることになるだろう。すなわち「Plan」において、ただの現状分析や反省・改善というのは無意味で、大局的で即応性の高いソリューションを放り込める奴が勝利する、とこうなる。それを導き出すシステムを得られれば良い(人工知能が解析するのに必要な情報を与える)となる。
エレクトロニクスは大きく4つくらいの技術の軸がある。情報処理・小型化&省電力化・機械&熱出力変換・蓄勢平衡である。自分或いは自分の会社がこの中でドコに身を置いてどの方向に触手を伸ばし、出来ること・やるべきこと・やれば喜ばれることを考える、大体こうなるだろう。ちなみに今エレクトロニクスは「スマホの次」を探すのに必死だが、それは多分正解を導かない。なぜならそれは情報処理と小型化が結実した1つの「結論」であって、その延長上のものは誰でも考えつく代物にしかならない。ちなみに自分の小説では耳栓デバイスで視覚野にバーチャルで視界を放り込み、脳波で意思を抽出する。手のひらデバイスの無効は当然そうなる。従ってスマホをベンチマークしたところで「スマホに匹敵する何か」は生まれない。
もっと言うと、PDCA自体が戦後レジームの産物であって、その当時前述の「4つの技術軸」自体は既に出現していた。すなわち4つの軸を越えた何かを生み出さなければ、それぞれ行き着くまででイノベーションは尽きることになる。つまり、軸自体に新しい物が求められている。そしてその軸は、人が五感で幸福便利を享受するものでなければならない。
原始的なままで不便なのに、それが当たり前だから気づいていないこと……我々の回りにまだ残っているのではないか。
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