ちょっと宇宙へ行こう
……唐突だな我ながら。
水星。太陽系第1惑星(画像は「みお」プロジェクトサイトのCG)。
太陽のそばにあるので、夜明け前か日の入り直後のわずかな時間しか見えない。このため古代の人々は朝と夕とで別の星が見えてると考えたり、追って同じ星の見え方違いと判ると、朝見えたり夕方見えたりめまぐるしく変わることから、「足の速い星」と考えられるようになり、俊足の神メルクリウスが宛がわれたのは知られた話。ちなみに「水銀」を英語でマーキュリーという。「あ!」と思う方多かろう。但し、漢字の方は「辰」を当てたことから水へ来ている。水銀は水のような金属である。ローマ神話では水星を象徴する金属が水銀である。奇妙な一致が面白い。
地動説を説いたコペルニクスが生涯水星を見ることが無かったのは知られた話だが、幸いにも自分は見られる時期と場所におり、容易に写真が撮れる時代を生きた。2つ星が映っているが、明るい方が金星で、小さく映っている方が水星である。なおここまで双方の惑星が接近した状態でしかも充分な高度で見られる機会はそうそう無い(2015年1月撮影)。
さて見るチャンスが少ないと言うことは、望遠鏡での観測チャンスも少ないと言うことである。観測衛星近づけたいが、公転周期88日かつ、小さい星であるため、「速度が速く重力が小さい」ということであり、衛星を観測軌道に放り込むことが難しい。
その難しいことに挑戦する衛星が今般日欧合同プロジェクト「BepiColombo」(ベピ・コロンボ)として打ち上がった。欧州開発による表面探査機「MPO」と、それより高い軌道を周回し、磁気の観測を行うJAXA開発の「MIPO」……「みお」である。人類はこの太陽直近の星についてコペルニクスと同じ理由でキカイを近づけられなかったので、この衛星達は多くの知見をもたらすであろう。なお、この「みお」にはメモリーカードが貼り付けられているが、セーラームーンシリーズの武内直子氏のサインも収められているとか。
到着は2025年8月。
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