繁殖する電気のヒモ
箱の中身を出したり、出すのが当分先の箱は積み上げたりして、座卓の置けるスペースを確保。義父のパソコンを展開した。「ブックマークを移動すりゃパソコンなんかみな一緒」と思われる向きもあろうが、デスクトップのアイコンとか、意義を持たせた物が多い場合、同じ形の別の機械に成り果てるのである。
「座卓の位置コンセント無いけど」
「タップで引っ張ってくるんじゃん」
「またぁ?」
「また」というのはこれまでの暮らし全般を指す。スマホにパソに電気ポットなど、電気製品が今ほど多くなかった時代のアパートvsオーディをを筆頭に電気GROOVEなオレと言うことで、家の中には電源と通信のケーブルが眠れる森の美女の茨の如く跋扈していた。借家では何らの加工傷つけも出来ないので這い回すしかなかったのである。スパゲティの中で暮らすのはイヤかろう。
「…隠すカバー使ってね」
「パソコンデスク来たらね」
ちなみに食卓にはその電気ポットと、スマホの無線充電用の円盤、コーヒーメーカ、場合によりホットプレートかIH調理器を接続対応とする。
「こっちも?」
「ポット卓上にないと意味ないし、ポケGOはひらきっぱの予定だし」
「ちょっと待って、電話はこの壁にと思ってるけど」
「電話線もろとも10メートル。途中で卓上向けのタップが分岐」
電気ハラスメントか。略すとエレハラか?
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