大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについてその2
……同じタイトルのpdfがCISTEC等に貼ってあるがそれではない。ってまぁ「ホワイト国」やら「輸出管理レジーム」やら、輸管用語をこれほど頻繁にネットで目にする日が来るとは。しかも「り地域」があれやこれや回避策を弄するもんだから、都度それを塞ぐ条文持ち出すことで輸出管理に対する適度なアウトリーチになってるというね。「反面教師」という言葉がこれほどしっくりくる事例もあるまいて。
「おもてなしの心は無いのか」だってさ。おもてなしってのは歓迎の意思表示なんだよ。これは「事務的説明会」な。しかし5時間かかったとか経産省の中の人ご苦労様でした。
・(「り地域」で156件の違法輸出があったリストが表沙汰になったことについて)法を知らない中小企業による違法輸出だ
「知らなかった」で済んだら法律の意味ないですよね。あ、死なせちゃった。法律知らんかったわー、で、済むかバカ。更に言えばこれは政府によるそれこそアウトリーチの不足だし、管理出来てないことの何よりの証左。
・(そのリストに出てくるフッ素化合物について)日本産のものはない
輸出管理法令は「国際輸出管理レジーム」で取り決めた内容を各国の法令に反映して運用することになっています。なので、いみじくも4つのレジーム全てを批准しているのであれば、同じ内容の別文言で「り地域」の法令になっているはず。それは「フッ化水素を無許可で出すな」であって、ドコで作られたかは問題ない。むしろ「日本産はどこへ行ったの?」と問い返す程の問題。
・日本メーカの海外工場製を売ってくれ
「迂回輸出」の教唆ですね。海外→海外の移転だから日本の法令は関係ないだろうというのです。こういうのを「仲介取引」、粗野な表現で「三角貿易」といいます。すぐ思いつく密輸手段なので当然法で塞いであります。外国為替令第十七条第二項第二号イにあって、
ここに出てくる「輸出令別表第3の地域」が「ホワイト国」のことなので、そこを外れる以上、日本政府・経産相の許可が必要と。
・工場を「り地域」に作る/メーカを買収してやる
現物のみならず「設計・製造・使用に関わる技術」も規制の対象なんですよ(外為法25条)。そしてそれは日本国外へ持ち出すこと、外国に居住している人や外国法人(ひっくるめて「非居住者」)に渡す場合も適用されます。
・日本も北へ密輸した事例があるじゃないか
だからって「り地域」のホワイト国復帰を認める理由にはなりません。日本国の裁量だしね。とやかく言えば内政干渉。ってか、このネタでどっちもどっち論を持ち出す=「国ぐるみでやってます」って認めることにならんか?ちなみに不正輸出事例はずっと前から公になっていて、だから気をつけましょうという資料になっています。なお見ていただくと判りますが「お里が知れる」という言葉を置いておきます。
・ロシアから買うぞ
ご自由に。作り方・輸送梱包によっては特許で引っかかるけどね。あと、ロシア産は幾らで売ってくれるのかな?
・国連安保理で審査してもらう
で、国連が「日本の法律変えろ」と言うこと期待してるの?ホワイトに指定したの日本の勝手だし、除外したのも日本の勝手。国連に何の関係が?
こんなのを「ホワイト国」にし、郵政を民営化し、非正規労働の蔓延をもたらした小泉純一郎。アンタの罪は重い。
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