輸出管理に携わる身としては
CISTECのちょっとした資格を持ってる以上、触れないわけにはいかんでしょ。
この閣議決定で変化するのは以下の通り。
・「ホワイト国」の名称を「グループA」に変更
・同グループから韓国を削除(グループBになる)
この結果、韓国に対する「キャッチオール規制」の適用免除がなくなります。
・キャッチオール規制とは?
元々、輸出管理は大量破壊兵器に転用可能な貨物に対して、輸出には国の許可が必要、というスタイルでした。「許可が必要な貨物」はリスト化されているので「リスト規制」といいます。しかし近年、リストに載ってない貨物が軍事転用される事例が増えてきました。例えば、中古のタンクローリーのタンクの代わりにミサイルを積む、などです。そこで、リストに載っていなくても、軍事転用されないか確認しようという国際的な取り決めが出来ました。軍事転用の懸念を「全て捕まえる」ので「キャッチオール規制」です。
・キャッチオール規制で国の許可が必要になる時
「全てに個別許可が必要」などと報じているマスコミもありますが、全くの間違いです。
①輸出しようとする貨物が、大量破壊兵器や通常兵器の開発等に使われる恐れがあることを輸出者が実際に知った場合
②経産省当局から許可申請すべき旨のインフォーム(要は個別のお知らせ)があった場合
です。従って、輸出者は、輸出しようとする貨物が、大量破壊兵器や通常兵器の開発等に使われる恐れ がないと確認できれば、基本的には問題なく輸出できます(もちろん、後から確認できるようエビデンスは残しておきます)。
・韓国の認識の誤謬
一方、これとは別に今回包括許可対象を外された3品目については、個別に許可を申請すれば出荷できます。いつどこに何を。そして後からその通りであったと確認できること。要は「書類を出せばよい」であり、台湾を始めとする他の半導体製造国にはこれで運用されています。なのになぜ、韓国はそれができないのか。「どうなっても知らんぞ」と日本を脅してくるのか、不買運動()するのか、因果がつながらず、理解できません。
・確認されている韓国の「報復」
①韓国自身のホワイトリストからの日本の削除
(出典)
「イ」地域「ロ」地域と「いろは」格付けが見えますが、日本のそれに相当しますというCISTECの付けた脚注のようです(いろはの代わりに「カナダラ…」らしい。言われているように小泉政権時代に日本のしくみを韓国に導入したのでこういう呼び方が残っているのです。)。この「イ」…韓国のホワイト国から日本を外すそうです。個別許可審査免除が剥奪される。
が、日本が韓国から買ってる「個別の輸出許可を必要とする貨物」=リスト規制品は「皆無」です。無意味な対応と考えます。
なお他は
②ドラえもんの映画公開延期
③町中の万国旗から日の丸を引っこ抜く
これは大変だw
・日本がホワイト国から韓国を外した根拠
①包括許可適用品の管理状況を確認する定期協議に出席しない
②40トンのフッ化水素が行方不明
で、「横流し」の噂が発生し、「横流ししたというならその証拠を出せ」と逆切れし、そのまま1か月何もせずにいた結果が8月2日になったわけです。横流ししてないなら自分たちがちゃんと使われたことを示せばいいんじゃないですかね。でもって、そんな連中をホワイト国から外す…信用できない者への処置として当然じゃないでしょうか。
・日本への影響
「韓国が半導体作れないと日本も困る」と彼らは言いますが、まぁこの通りで。
いやしくも構造上近代民主国家の体をとる政府首脳が、すべきこと(しかも書類を準備するだけ)を全く履行せず、他国を泥棒呼ばわりし(何盗んだっけ?)、あまつさえは「何か起こす」などと恫喝して優遇措置を強制する。優遇措置は友好的かつ信頼関係のある二国間でこそ成立すべき措置であり、「ならず者」そのものの言動を呈するこの国がその対象など絶対にありえない、あってはならない事態であると判断する。当然、この国の言動に利を見るものも同様と判断されるし、友好だの親善などおこがましく片腹痛い。
いちど真に独力で歩いてみよ。我が国に関わるな。
っあ~。酒は飲まないのでね。
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まったく仰る通りです。
日本が日本がと攻撃出来るのが信じられません。
原料と部品集めて、民生向けの安物しか組立出来ませんとハッキリ認めろやと。
Twitterに引用させて頂きましたこと、事後報告ですみませんが報告させて頂きます。失礼致します。
投稿: よび | 2019年8月 3日 (土) 12時05分
>よび さん
どうぞどうぞ。今回の案件は輸出管理の良い一般周知活動だと思ってます。
投稿: すのぴ | 2019年8月 3日 (土) 12時51分