伊勢湾台風60年 @alktheater
何度か書いているので台風自体の話や被害については触れない。台風による人的被害は今なお最も多い。
「教訓」は何だろう。
一番上の天気図は上陸した9月26日午前9時の天気図である。上陸半日前だが、名古屋で雨は降っていなかった。
しかし相手は「超大型で猛烈」な台風である。気象台は甚大な被害を予想し、ラジオで直接避難を呼び掛けた。しかし薄日すら届く天候で聴取者の意識を変えることはできなかったのである。果たして台風は上陸し、当時コンセント電源を必要としたラジオは停電で役に立たなくなり、夜闇を荒れ狂う未曽有の大暴風雨と高潮に乗って流れ込んだ多数の丸太によって、5000を越える人命が失われ、行方不明となった。
比して例えば今般千葉に上陸した台風15号の対応を見たとき、住民の、行政の対応はいかがなものか。「他人事だと思って」…ご批判は甘んじて。「こんな風になるとは思わなかった」「今まで来たことがなかった」…私は間違ったことを書いているだろうか。
名古屋についていえば、伊勢湾岸の「海抜ゼロメートル地帯」におけるリスクは当時と変わっていない。
東海豪雨の浸水地域、大曽根近辺など、大雨の際「内水氾濫」のリスクを抱えたままの地域は数多い。要は、同じもの来れば同じことが起こりうるのだ。
情報収集手段もスマホは便利だが電池が切れたり送信設備が壊れてしまえばただのガラス文鎮だ。であれば、地震と違い台風だからこそ可能なこと…事前に避難が絶対に欠かせない。
(出典)
過去を知ること、そして、再び来る可能性を前提に、自治体のハザードマップで行動を決めておくこと。
そしてその周知。
伊勢湾台風を題材にしたミュージカル「空が落ちてきた日 」が上演されている。お子様と見に行くのも一つの手。60年前の今頃、名古屋は40m/sを越す暴風で破壊されつつあった。
« 失われた大陸 | トップページ | 身体に悪いもの食わせろ »
コメント