【ハイレゾ音源再生】デノンPMA-600NE @DenonJP
●冒頭の能書き
引っ越しでリビングのシアターシステムを断念した結果、サラウンドアンプであるマランツ1607は宝の持ち腐れ。一方で義父宅から引き揚げた音源にはレコード、カセットがあり、応じてアナログ機器を接続するには1607の端子じゃ不足。じゃぁ調子の悪いテメエの実家のAVアンプを放り出し、あとがまにマランツを据え、普通にアナログプリメインを持ってこようと思った次第。リビングはそういう経緯で「サブシステム」なのだが、ハイフィデリティの質を確保し、ハイレゾを同軸デジタルで放り込めれば…そこへ発表されたのが本機デノン600NEである。長年ハイファイ入門機であった390シリーズの「令和仕様」であり、多数のアナログにレコーダ出力、デジタル入力にBluetoothも装備とまさに「昭和から令和まで」対応。実売価格を見て丁度いいと購入した次第。いい具合に日曜に届いたので早速セットアップである。
●設置
高さ12センチを生かしてコーナラックのこの位置にこう。ハードウェアは以下
・入力
①同軸デジタル(NAS→パソコンUSBより変換→本機内蔵DAC)
②CD/SACD/DSDディスク:OPPOブルーレイBDP-103JP(OPPO内蔵DACよりアナログ入力)
③カセットデッキ:ソニー TC-K700S
④レコードプレーヤ:DENON DP-29F
⑤チューナ:ヤマハ T-S501
なお、写真でティアックのハイレゾレコーダが映っているが、こいつはアナログをデジタルに取り込むため、および、ひょっとして録音したいラジオ番組があったら…に備えてのもので、再生用に使う気はない。また、HDD録画機があるが、その音をアンプ経由で出す気もない(円盤にダビングしてOPPOで再生すればアンプに回せる。逆に言うとアンプから出したいものは円盤にする価値があるものだろう)。
・出力
①スピーカ:ケンブリッジオーディオ SX-50
②サブウーハ:ヤマハ NS-SW210
このラインナップでお分かりの通り、600NEの持つ入力端子、出力端子、機能、ほぼすべて使う=要求仕様にベストマッチなのである。
2時間くらい音出ししてサブウーハとの繋ぎも自然なところを見つけて印象は以下。
●音質
①CD
「まかせて★スプラッシュ☆スター★」/うちやえゆか
プリキュアシリーズ「スプラッシュスター」オープニング。アニソンだが何せ生声聞いているのでいろいろ比較できるのと、歌ってるうちやえさんがハイトーンなので、いわゆる「サ行発音の刺さり」が確認できるのでCD再生時にはリファレンスにしている。
OPPPからアナログで入力。正統派ピラミッドバランスの印象。曇りなくストレート。ただ、メインシステムに比べると粒子感や定位の明確さという点で差は出る(出なかったら困るわ)。サ行の発音は明確だが刺さり感は皆無。「オーディオ装置」の音がする。
②SACD
「AQUAPLUS VOCAL COLLECTION VOL.8」
そもそも少ないヴォーカルものSACDからゲームのキャラソン集。萌え萌えだ?でも実はこれ貴重な「水樹奈々のハイレゾ音源」なのだよ。
さて収録されてる彼女楽曲「SOUND OF DESTINY」を確認。こいつメインだと彼女の声がふわっと定位し実在感最高なのだが、そこまでは行かないが極めてエッジの立った克明な音を出してよこす。ハイレゾの面目躍如であるとともに、SX11に通じる「ストレートさ」を如実に感じる。
③ハイレゾ
「DONE/サラ・ブライトマン」(44.1/24)
ハイレゾだが44.1KHz。応じた頭打ち感、抜けのイマイチ感をちゃんと出してよこす(ダメさをちゃんと出すって評価してよいのか?)。
ただしビット深度に応じた声の変化の細やかさ、諧調の豊かさ、変化のスムーズさはちゃんと感じられる。
「Fantasy On Ice/サラ・オレイン」(96/24)
アイスショーで使われる大スケールの楽曲で「ハイレゾヴォーカル」とでも評すか、3オクターブの声域を有するサラ・オレインが歌う。
極めて音質の良い音源で、静寂にすっと立ち上がるヴォーカル、楽器増えて行って盛り上がるエモーショナルな展開。スーッと抜ける透明度の高さが感ぜられ、キラキラで豊かな高域は倍音に溢れ、没入感十分。「なかなかどうしてやるじゃねぇかテメエ」みたいな。逆に言うとハイレゾ聞くならこのくらいの機材だと良さが味わえる。
「天使のハープ/西山まりえ」(192/24)
ゴシックハープを384/32で収録。こいつは192/24バージョンで、アルバムより「サルタレッロ」を確認。こいつにはSTAXじゃないと聞き取れない極めて鋭い立ち上がりの「弦をはじく音」が入っているのだが、さすがにそこまでは。ただ、ハープ単体のみの演奏も手伝ってか、自然なバランスで広いレンジを出すので生々しい聞こえであり、没入できる。
●まとめ
「明確なピラミッドバランスでハイレゾ音源にしなやかに追従してくる」とでも評すか。低音はサブウーハで好きに盛っているのでさておく。中域はメリハリの利いたヴォーカルが明快である。女声魅力たっぷり。高域はスムーズな伸びが感じられ圧迫感のないのがよい。ハイレゾの「伸びやかさ」をちゃんと表現してくれる。S/Nがよく、微小音でも輪郭が崩れない。応じてダイナミックレンジも十分。
ヴォーカルかインストかどっちが良いかと言われればヴォーカル。ただ意外や大編成オーケストラでも混濁せずそつなくこなす。これは増幅素子が一発だから分流・合流による混濁が発生しないという部分が効いていよう。
音質にこだわりを持ち始めたら、イヤホン・ヘッドホンで不可能な「音の満ちた空間」を経験したかったら…オススメのアンプである。
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