後継育成2題
●鉄道模型の場合
在庫求めて名古屋市内を行脚。とはいえそーゆーのはwebサイト持ってないような個人経営店に限る。
店頭に旧製品で色あせたパッケージを発見。
「これ在庫ここにあるだけですかね」
「あ、問屋から買ってきてそのままなのでまだいっぱいありますよ。20年くらい前のですけど」
かまへんかまへん。なんと、無事目標の20箱あっさりゲット。
「これネットじゃ争奪戦になってましてね……」
鉄道模型、特にNゲージが量販店で扱われるようになって久しい。ネットオークションにせどり屋など「新品在庫の定価売り」が基本の個人点には厳しいエコシステムが出来上がってしまった。3Mデパートを始め、地下鉄と徒歩で回れた個人店も相当数、消えてしまった。
「我々みたいに既にやってる人間には買う物決まっているので量販店や通販は便利なんですよ。でもこれから始めようって特にお子さんが直接手ほどきを受けられる場所がない」
「ですよねー」
そうなると個人個人が町内会のイベント等でコレクションご開陳して勧誘活動するしかない。が、メーカーよそれでいいのか。オーディオもそうだが、売り続けるためには買い手を発掘するアクションが欠かせないぞ。
●電子回路の設計
ベテラン設計者とプチ会合。
「スペックだけじゃなくて、その部品の構造がわかるような資料も用意出来ませんか」
電気特性と取り付け性に問題が無いので採用したい、じゃ設計じゃねぇ。
「30年前に抵抗のカラーコードとはんだごてのさばき方から入った世代の知識常識は滅びつつあるんですよ。チップ部品が基本だし、設計検討も着眼点変えなきゃいけないかと」
「それは自分も思ってて、担当チーム内レビューをもう少し小規模で、でも詳細に、チェックシートを用意して、ってやろうと思ってます」
「なるほど」
昨今の電子回路はロボットが鼻クソみたいな部品を基板にペタペタ貼り付けるのが基本。当然、応じた部品の構造になってるし、物理的な性質も大きく違う。それでいて回路が扱う電圧は下がり、周波数は高くなった。過去の常識が不要になる一方、想像もしなかった故障モードで壊れる。基板が反ってセラミックコンデンサが割れるとか典型。
「今が見直しのチャンスで、これ逃すとグダグダになると思います」
「頑張りましょう」
多分その「ロボットでペタペタ」しか知らない海外メーカとの力量差が試される時代。
« 40年越しのサービス向上? #鉄道模型 | トップページ | 失われた大陸 »
コメント