うそ・おおげさ・まぎらわしい #台風19号
「先日千葉で起こった出来事が関東一円で起こりうる」
という警告で関東パニックである。ネット見てると、
・食い物飲み物電池養生テープ(ガラス飛散防止用)は品切れ
・お店のレジ、切符の購入と払い戻し、ガソリン満タンで長蛇の列
新幹線と飛行機の運航停止が確定したため、ターミナル駅は今日中に移動、とりわけ東京へ帰る人たちでごった返す。自由席はぎっしりで立錐の余地無しだし、指定席にどうにかありついた人たちからも焦燥と緊張感を直接脳に感じる。大体週末の東京行きはパソコン叩いてるかビールかっ食らってガーガー寝ている人が多く、ある程度「今週終わった」の安堵感がある物。しかし今日は別。みんな285km/hに使命を与えて託している。
「こっちで養生テープ買えて良かったよ」
とは主張で同行した関東の人。
さて一方、ネット見てると流言飛語の類いも目に付く。
・幻のカテゴリー6←うそ
・人類史上/世界最大←それは台風1979年20号
(この時の中心気圧870ヘクトパスカル)
・狩野川台風に匹敵
問題は3つめのコレだ。他ならぬ気象庁がそう言っている。
狩野川台風(かのがわたいふう)。
狩野川台風は伊勢湾台風の前年、1958(昭和33年)に伊豆半島・関東に上陸した台風である。上に1979年20号を出しているが、こいつが現れるまで、実は文字通り「人類史上最強」クラス台風だった。最盛期の勢力は877ヘクトパスカル、最大風速は75m/s。
当時は米軍の観測機が直接目に突っ込んでデータを取るという方法だったので、航空写真で「眼」が撮られている。
眼の直径15キロメートル。もちろん「大型で猛烈」……カテゴリー5のスーパータイフーンである。
で。
北緯30度線を越えた9月26日の天気図がこれである。ここで中心気圧を「900」と表記してあるが、後の再調査で930程度だったとされている。同じくらいの台風2019年19号のひまわり画像と天気図を貼ると。
狩野川台風は上陸直前に急速に衰えたため、風の被害は目立たなかった。しかし雨の方はすさまじく、東京で1日で370ミリの雨が降り、伊豆の湯ヶ島では一晩で700ミリを超えた。この結果、狩野川水系では1000カ所以上で土砂災害が発生、洪水とこれら流出物が橋に引っかかってダム状態→決壊を繰り返し、大規模な鉄砲水となって下流を襲った。人的犠牲は1269名。
で。今回の19号と経路を比較してみる。
狩野川台風。
台風19号のこれまでとこれから。
すなわち、「狩野川台風に匹敵する」は大げさな表現ではない。どころか、現在の予想進路の海水温は高く、気圧950を切るくらいで関東に近づく可能性が濃厚。
つまり、
「もっと強い」
従って
「大雨に加え、暴風および高潮の危険がある」
東京湾で13メートルなんて波の予報過去にあったか?
「高潮」ってこんな現象(2013年台風30号フィリピン)。海から来る洪水。気象津波とも。
「台風で起こる津波ならそうと教えて欲しかった」(現地の被害者)
「あなたと、あなたの大切な誰かの命を守る行動を取って下さい」
(画像やデータ等のソースは「デジタル台風」や「気象庁」など)
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