ていうか、反物質ロケット作れるんじゃね?
この娘を主役にした物語をこんこんと書いとるが、彼女が乗り組んでいる「国際救助隊の空飛ぶ船」が以下の推進機関を積んでいる。
・電子陽電子対消滅型光子ロケットエンジン
最高速度は光速の99.75%に達する…もちろん、2020年時点存在せず、「理論上は可能」というだけの存在(※特殊相対性理論に覚えのある方はローレンツの式に突っ込んでみてください)。
おや?
記事を要約すると。
・ガンマ線レーザの生成には対消滅反応が適当
・対消滅させるのは陽電子と電子が水素っぽい原子としてふるまう「ポジトロニウム」が適当
・ポジトロニウムは液体ヘリウムの中に放り込むと「ボーズアインシュタイン凝縮」を起こして集積し、更に液体ヘリウム中で「気泡」状態を形成する
対消滅という文言は「ふしぎの海のナディア」が初耳という方も多いかと思うが、アインシュタインの「E=mc^2」の全エネルギを光として得られるものであるから、推進機関として活用できればこの上なく大きな出力、そして速力を得ることができる。その対消滅機関の最高峰に位置づけられるのが「光子ロケット」である。
(JAXA)
実現へのハードルは3つ。①燃料である反物質(陽電子)の生成と必要なエネルギの確保。②貯蔵。③最後に生成される光(=ガンマ線=最強の放射線)を反射できる鏡
このうち①は何と「空気」と「雷」で相当な数出来てるらしいことが分かってきた。
(http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/171123_1.html )
人工的に模擬できるようになるんじゃない?
②は液体ヘリウムが使えそう
であれば残りは③だが、実はガンマ線の透過能力は高く、アナタがこれ読んでる現在ただいまも宇宙から飛んできて地下まで到達するほど。そして面倒くさいのは、ガンマ線は確かに「光」の仲間なのだが、何かにぶつかるとそいつの原子をぶっ壊す、という方向に作用することが多いこと。つまり吸収はされるが反射されにくい。でもまぁ、人類勝手に原子作るし、物質の表面ナノレベルでいじくりまわす技術も持ってるので、極低温で原子の運動が鈍ることも考慮すれば「ガンマ線を反射する鏡に使える何か」は作ることが可能であろう。それは紹介した記事で狙っている「ガンマ線レーザ」を生成する共鳴管にも使えるし、光子ロケットの鏡にもなる。ひょっとすると「液体ヘリウム中のポジトロニウムの泡」そのものも何かの性質を持つかもしれない。99.75%はさておき、1%でも反射できれば「時速1000万キロ」が得られる。太陽系を有人探査するのに十分だ。
隣の星へ行く。別の惑星へ移住する。文字通り「夢」だった世界への突破口を人類は掴みかけている。
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