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2020年4月12日 (日)

SARS-CoV-2(その1)

●冒頭の能書き

首記ウィルスの「対策」について在宅勤務という状況を生かして書き連ねる。但し医者ではないので診断や治療について書くことは出来ない。書けるのはメカニズム(機序)のみである。なお、ウィルスそのものの名前はSARS-CoV-2(Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2:さーずころなうぃるす2)であり、これにより引き起こされる感染症をCovid-19(Coronavirus disease 2019:こびっど19)と呼ぶ。これは地震そのものの名前が「東北地方太平洋沖地震」で、もたらされた災害を「東日本大震災」と呼ぶのと同じ関係である。

1.そも「ウィルス」とは

疾病対策が魔術師の手から離れたきっかけは、1674年のレーウェンフックによる「微生物」の発見である。19世紀になってコッホやパスツールが「病気の元ってこれじゃね?」と気づき始め、1876年、コッホは炭疽病が炭疽菌によって媒介されることを発見する。なお、コッホの話はそのうち出てくるBCGのところで再度触れる。

これで一旦病気は細菌で落ち着くのだが、植物の病気である「タバコモザイク病」においては、濾過して細菌を取り除いたにも関わらず感染することが示され、「より小さな病気媒体」が見つかった。ラテン語で「毒液」の意味を持つ「virus:ウィルス」の呼び名が付いた。20世紀直前、1890年代の話である。ちなみにこの当時、ウィルスを「さらに小さな生き物」と考えた学者も多かったのだが、1935年、タバコモザイクは「結晶」ができたことから、生き物よりは「物質」に近いのでは?と考えられるようになった。1952年、DNAが遺伝子として働くことが発見される頃には、

ウィルスは「生物」ではないが、遺伝子DNAまたRNAのみを所持し、微生物や他の生物の細胞が持つ増殖プロセスに入り込んで「自分の複製」を作らせて増える「タンパク質の集合体」

と判明した。

2.ウィルスが体の中でしていること

ウィルスは「細胞の増殖」プロセスに自分の遺伝子を送りこみ、自分の複製を作らせる。この際細胞を破壊し、栄養素を横取りし、ウィルスが複製を円滑に行わせるために獲得した「複製を防止する仕組みを止める物質」を大量に放出する。この結果、ウィルスにやられた細胞の死、その細胞で組織される身体機能の不調、不死・無限増殖(ガン化)を招く。例えば風邪の典型症状の「咳・熱・くしゃみ」はウィルスの活動が免疫システムを活発化させ、体外に出す(咳・くしゃみ)・高温で殺す(発熱)を起こしたものである。Covid-19では短時間で重い肺炎(間質性肺炎:空気袋である「肺胞」をビニール袋に例えたとき、ビニール部分が炎症を起こして空気袋が伸縮できなくなる)の症状で死に至る場合が多いのが特徴、となる。

(つづく)

 

 

 

 

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