【ハイレゾ音源も再生してみた】デノンRCD-M41 @DenonJP
●冒頭の能書き
この銀色の機械1台でCD/ラジオ(AM・FM)/Bluetooth機器/光デジタル入力/アナログ入力
の各ソースが再生出来る。別途必要なのはスピーカーだけ。こういうのを「レシーバー」と呼ぶ。最近の「ミニコンポ」は似たような本体とスピーカがセットで売っていて、何が違うんじゃというところなのだが、まぁ「ミニコンポのセットの値段よりもレシーバの値段の方が高いよ」ということでお察し。主なターゲットユーザはそういうミニコンポから「スピーカを活かしてアップグレード」とか、そのコンパクトさを活かしておいらみたいなサブシステムとか。今回はこの位置にそもそもあったミニコンポが流石に時代遅れになってきたのと、繋いであるスピーカ・BOSE121が遊んでいたから。
●選定の理由
実はデノンのレシーバはより多機能な新しい機種が既にある。
RCD-N10という機械がそれで、スマホアプリでいじれるしUSBメモリを挿せる。なのになぜ旧機種である41にしたか。
・常にパソコンを接続できるので、USBデバイス・ハイレゾ音源はそこから別のDAコンバータで流し込む。USB無くてもいい
・アンプがアナログ
・旧機種なので安い!
ここでアンプがアナログの理由をくだ巻いておく。N10はデジタルである。しかし仕事でスイッチング電源をいじってる身としては、現行のデジタルアンプは以下の点で疑義を唱える。
①PWM(パルス幅)方式であるから、デジタル信号の「ビット深度」(16ビットとか24ビットとか)はパルス幅に対応する。従ってデジタルデータをそのままパルス幅にデジタル演算で変換できるはずだが、何故かアナログに戻してから三角波比較回路に通す(再度デジタル変換)とか無駄でノイズを誘うことをしている
②負荷がLC双方の成分を含むインピーダンスであり、可変周波数可変負荷である。負荷により、同じ「オン時間」でも負荷(スピーカ回路)がエネルギを消費したり余らせたり変化してしまう。同じスピーカでも印加電力がリニアに変化しない可能性がある
従って②なんか1回周波数スイープしてチューニングする必要があるんじゃないかと思うんだけどね。TADもSPECもローパスフィルタ威張ってるけど。
●音質
この辺で本題、音質行きましょう。アナログなので2時間くらい電源入れて放って置いてから試聴。機材は
・スピーカ:BOSE121
・USB用DAコンバータ:iFi_Audio「nano_iDSD」(11.2MHzDSD対応)
ケーブルは安物。こいつらの音の質が多分に出るのでお含み置きを。
1.まかせてスプラッシュスター/うちやえゆか(CD)
ハキハキしたボーカルが正面真ん中からまっすぐに飛んでくる。このハイレゾ時代BOSEは高域方向が丸いのだが(主宰のBOSE博士は20kHz以上再生してどうするんだ派)音の一つ一つが明瞭なのでそれはあまり気にならない。ただ「ソースダイレクト」モードは眠い音になる。トーンコントロール使って、好きな鳴り方を探した方が幸せ。BOSEは低域重視であり、素のままだとこもる傾向あるので、BASSを落としTREBLEを上げてある。
2.新垣隆+磯絵里子「Rondo」よりタイスの瞑想曲(CD)
円盤SACDだが非対応なのでCD層の音である。弦の表現はきつい。ピアノは奥手になる。SACDだと豊かな鳴り方するが一転厳しい感じ。相性問題?
3.カーネギーホールライブ/ジャスマスターズに捧ぐ(CD)
じゃぁ「そもそもCDとして音質の良いもの」聴き直し。録音が良いせいか、かなり頑張った印象。納得できるピアノであり、ドラム、ブラスはこぢんまりなりにスピーカの間中空に定位してミニカーネギーホールを作る。ホールトーンをふくよかに鳴らし背後まで回って心地よい。コントラバス等はも~少し量感欲しい気がするも、ボワつかず締まった鳴り方。これは「ソースの音質を高めればより良くなる」期待。
4.ロマンティックじゃない?/ダイアナ・クラール(96/24)
だからって「20kHz超」を考えてないBOSEにハイレゾ突っ込むって意味あるのかと言う話だが。
指向性が高まり、高周波成分多いのは効いている様子。この音源、喉の中まで見えるようなえぐるような解像感があるのだが、流石にそこまでの描写力は得られない。ただ、BOSEの快活さと相まって醸す雰囲気はしっかり確保。
5.うすむらさき/kalafina(96/24)
中高域=ボーカルの一番刺さるところが強く聞こえる。パッと聞きの「いい感じ」を演出する工夫の一例。やり過ぎると下品に歪むのだがそこまで行ってない。弦は痩せて聞こえる。
6.When you dance with meほか/レベッカ(CDリッピング44/16)
ビックリしたのがこれ。すごい「明瞭」なの。ボーカルをしっかり描きバックはドンシャリ…80~90年代の音作りにぴったりマッチということ?聞き込んだあの頃の記憶がよみがえるわ。この辺り先代・パナミニコンポより高いグレードを見せつけてくる。
7.「天使のハープ」各曲/西山まりえ(192/24)
倍音再生してなんぼのソース。さすがに倍音成分でホールの構造が判るような鳴り方にはならない。でも高さは感じるし「スピーカー外定位」も生じる。安心して聞いてられる。
●まとめ
適当に放り込んで適切に鳴ってくれる「安心して聞ける」セット。ミニコンポからの脱出最適だし、スピーカのグレードを上げる楽しみもある。増幅系は中高域=ボーカルのクッキリハッキリ感を前に出す作りだが、音源の質を上げると良さが追従する辺り、素直で底堅い増幅装置だと感じる。場所も取らないしオススメ。ちなみに電源を入れる→聞きたいソースを選ぶ→ソースを再生する…が、一般的な「再生の儀式」だが、こいつ例えばCD入れておけば、リモコン「CD」ボタンを押すだけで電源入って音が出る。機械操作が苦手な人向けにはお気に入りの円盤入れといて「ここ押して」でいい。Bluetoothならペアリングだけしておけば手のひらポチーで音が出る。
「刺さる」サブシステムになった。
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