サイエンスギャップとデジタルデバイドの背中合わせ
今日ツイッターで流行ったタグに、実際に言われたクレームを語る、みたいなのがあった。その中に
「何故日食の観望会を平日の朝にやるのか」
というのがあったという。2012年5月21日。金環日食が見られた日のことだ。日食のメカニズムも知らんのか…失笑する向きもあるだろう。ちなみにこの時、道で太陽を見ていた娘に、犬の散歩の人が何をしているのか尋ね、娘が説明したら「知らなかった。道理で空が暗いのか」と言っていたとか。興味が無い人には本当にどうでもいいことなのだ。それがなまじ興味を持ち、自分の都合と合わないと知るや、その合わない合理をなじる。
類例に先日、国際宇宙ステーションが見やすい旨のツイートをリツイートしたら「毎日見えますか?」とリプが来た。宇宙ステーションを含む人工衛星が地上から「見える」というのは、それら衛星が太陽の光を反射し、その反射された光が我々の目に届き、その際充分に空が暗いこと、が、必要で、太陽-衛星-日本が「なす角」と、時間で決まってくる。比して今日見えないなら明日、そもそも毎日見えるの?こんなところか。ちなみに見えるかどうかは日本であっても場所と時間に依存するので「計算で出せるんです。見えるかどうかはこちら」と観測用のサイトをお教えした。
以上ここまでは最前「理数系は不得手でねぇ」で笑った終わった話、かも知れない。だが、スマートフォンに代表されるデジタル機器は「それで何が出来るか」「なぜ、そうなるのか」を知っているかどうかで、得られる情報、享受できるサービスの量と質が変わってくる。宇宙ステーションの人の場合オイラに聞いたわけで、それは「人に尋ねる」作業がツイッター上というだけに過ぎない。これはネットの特性である「常時情報源に接続している」を活かしているとは言いがたい。
今日び引っ越して「ネットを引きたい」と頼むと、業者が来てキカイを置いてPC接続して画面表示して「終わりました」と去って行く。それで済むならそれで終わりだが、WiFiで複数接続したい、テレビやレコーダもネットに繋ぎたい、となると、一気に応じたハードと作業の料金を取られる。ウチではそこにサーバをぶら下げてデータの貯蔵庫兼、音楽をそこから家庭内3カ所のオーディオセットから流せるようにしてある。こうなると「そういうことが出来て、そのためには何をすれば良いか」調べる必要があり、理解するには理屈を知る必要がある。
あと、これも良く書くが、最近のパソコン周辺機器は、パソコンに接続すると、機器とパソコン間で通信し、勝手に使えるように設定してくれる。業者によるネット接続もそうだが、それは普通に動いていればいいが、不具合の時「そういうことが出来て、そのためには何をすれば良いか」知らないと、全く対処が出来ず詰むことになる。ブレーカを飛ばしたことで接続情報が消えたかも、ヘタすると足で引っかけてコンセントプラグが抜けてましたなんてことも分からない。
通信・ネットが情報インフラであるなら、それを使いこなす基礎知識を体系立てて教育する仕組みが必要なのではないか。電源・スイッチ・ソフトウェア…。巷間言われる「がっこうでのじょうほうきょういく」はそういう肝心なところ抜けてる気がする。「理数系弱い人」をあざ笑うのではなく、得られるサービスを得手不得手関係なく一定水準まで底上げする。それが令和JAPANの底上げに繋がるのではないか?
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