サイエンス小ネタ2題
●東北地方太平洋沖地震と長野県北部地震(栄村震災)
連動して起こったのは皆さんご承知の通りで。
「どうやって?」が見えてきたという話。
(https://research-er.jp/articles/view/98519)
「ゆっくりすべり」という現象がござる。この記事で書いたが、地震の大きな揺れが始まる前に地面がゆっくりだが動き出す現象のこと。これが栄村の地震の時もデータ解析したら見つかりました、というのが一つ。
そして、その「ゆっくりすべり」は東北地方太平洋沖地震の1時間以内から始まっているのが判りました、というのがもう一つ。
最後に、大規模地震とその余震による震動が繰り返し襲ったことで、これら地震活動が誘発されたっぽい。とのこと。
これの得たい成果は、「誘発されそうな地震の始まり」をキャッチできるかもしれない、ということ。
●野良ブラックホールを探そう
(https://www.universetoday.com/150941/roman-space-telescope-will-also-find-rogue-black-holes/)
ブラックホールは、大抵、「連星系の片方」…つまり相方は死に神とでも書くか、なので、我々は言わばそこに捉えられた「断末魔の叫び」を通じて間接的に、あそこにブラックホールがあるな、と認識している。このプロジェクトはそーゆー奴ではなく、宇宙空間に何か吸い込むでなくぽつんとあるブラックホール…流浪する孤独な死に神を見つけようという物。原論文は「Rogue Black Holes」とあって、まぁ西部劇のならず者みたいなイメージだろうが、日本の場合「野良」というよい言葉あるのであてがってみた。
方法だが、野良なので隣で死んでる(!)奴いないので、その強大な重力が発生する「重力レンズ」効果を使いましょう、というもの。強大な重力が存在するとそこで光が曲げられるため、あたかも「凸レンズ」がそこにあるかのように作用する。これを「重力レンズ」という。
これ、真ん中の天体は「LEDA 69457」という4億光年離れた銀河である。その周りの4つの光は実は「QSO 2237+0305」という別の天体で、LEDAさんと「同じ方向」だが「80億光年」離れた距離にある。LEDAの重力で光が曲がって届き、このように4つに別れて見えている。こういうのを、アインシュタインの一般相対性理論から導かれる存在であることから、「アインシュタインの十字架」と呼ぶ。
(この論文の説明用のビデオ。「重力レンズ」の影響の例。○されてるのは「本体」と「レンズが作った虚像」。円弧状にぐにゃ~んと伸びてるのもレンズの影響)
逆に言うと「こういう見え方をする天体」が見つかれば、それをもたらしているのが「見えないけれど重力はデカい」天体であるなら見えないそれはブラックホールだ、というわけ。
これ、言われただけだと「ふーん」で終わるけどスゴイ大事だと思うの。
ブラックホールって見えないので、もし、地球へ向かって接近してくる野良があっても判らないのよ。でも、これなら存在を浮かび上がらせることが出来る。
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