遠い遠いお隣さんへ小さく小さく作る
プロキシマ・ケンタウリ(ケンタウルス座アルファ星c)
太陽のお隣さんで距離4.24光年。三重連星の末っ子で、この子だけちょっと離れた軌道を50万年で1周している。少なくとも3つの惑星を連れているとされる。
ここに飛行物体を送り込んだれという話は、20世紀にSFから現実味を帯びてきた。簡単には水爆を連続的にぶっ放し続け、そのときの爆風で加速し続けるというものだ(オリオン計画)。秒速1万キロ(光の速さの1/30)まで加速し、この星まで140年で到達する。ちなみにもし、地球滅亡が決定的で存続のためには他の星系に移住が必要……と、「いま」なった場合、人類が今の技術で可能な限界がこの方式である。大量の核爆弾積んで行くのでバカでかいロケットになり、それで逆に町一つ分の居住空間を有するからである。建造に何年かかるか知らんけど。
次に近い「バーナード星」移住しようとして考え出されたのが「ダイダロス計画」である。こいつはレーザを燃料に照射して連続的に核融合を起こす(ミニ太陽状態)。光速の7%(秒速2.1万キロ)を得る。
「理論上可能」ではある。ただ、とにかく馬鹿でかく、ひたすら核反応を起こすので危険極まりなく、お金の話を始めるのもバカバカしい。
「燃料は持って行かない」これが必要である。代わりに何かで押してやる。そして飛行物体は可能な限り小さく作る。
(クリックで当該サイト)
ブレイクスルー・スターショット計画。超小型衛星を多数作ってレーザ光線を当てて加速し、プロキシマ星を通り過ぎながら観測する。
必要な技術
・超小型衛星(カメラ・記録・送信・原子力電池):すでにあり
・強力なレーザ光生成:すでにあり
・光を受ける「帆」(ソーラセイル):すでにあり→日本の衛星「イカロス」
光速の20%まで加速し、プロキシマ星までの所要20年。観測結果は4年かかって地球へ送られてくる。
おそらく、目下の壁は推進用レーザ光生成であろう。この計画で要求しているのは「100GW」で、理研が持ってるX線自由電子レーザ「SACLA」
が「500TW」。大出力自体はOK。後はこれをパラボラ使って宇宙空間へぶっ放し、セイルに当て続ける。そこが大変。でも、電波望遠鏡の技術が応用できるはずだし、大気の影響も「すばる望遠鏡」で取り除けてるから何とかなんだろ。
「太陽の方から来ました」
今世紀中に可能かも?
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