1秒の長い物語~時の記念日に寄せて~
6月10日は時の記念日。
明治期、「時間にぬるい」と欧米に評判が悪かったことから、啓蒙を図るために制定されたとか。6月10日なのは
「置漏尅於新臺。始打候時動鐘鼓。始用漏尅。此漏尅者天皇爲皇太子時始親所製造也」
とゆー日本書紀に書かれた「漏刻」を初めて使った日が、現行の暦で言うと6月10日になるからなんだって。
で。
現状、時間の基準単位はSI単位で「1秒」としてある。これ自体はどう決まってきたのでしょう、というのが今日の小ネタ。
(↑クリックするとどこか飛んでって動く)
人類は偶然にも「ほぼ360日」で循環する星系に生を得た。これは、回るもの・繰り返すものの「1周期」を360で考えるようになるとともに、この360が実に使いやすい数であったことから「掛けて割って」刻み使うようになった。12ヶ月、30日。干支は12×5の60で一巡り。この刻んでいった最小単位が「1秒」と言える。「漏刻」に使用された水滴の落ちる間隔、脈拍、振り子など、等時性を持つものから逆に1秒をはかる技術が進んでいった。
しかし後年、正確な時が必要になってくると、大本である地球と太陽の巡りにふらつきがあり、不動の基準に使えないことがわかってきた。だがそこに「電磁気学」より光・電磁波の速度はこうじゃ、という式が出てきた。
ε0= 8.85 × 10^−12,μ0 = 1.26 × 10^−6(^は「べき乗」の意味。^-12→-12乗ということ)と定数で求められているので、光の速さは「秒速299792458m」と決まった値となる。すると逆に、電磁波は振動成分を持つので、振動回数から1秒を決めることができる。
「セシウム133 原子の基底状態の2つの超微細準位間の遷移に対応する放射の9192631770周期の継続時間」
「?」だが、「遷移」を起こす電磁波の周波数が超厳密に決まっているので、その周波数を定義しているのがこの言い方、ということなのだ。現在の「1秒」はこれに基づいて刻まれ、校正され、連続している。
「まず、光あれ」これは旧約聖書「創世記」冒頭で神様が最初になした仕事である。日本も基準は天照大神で要するに「光」。
……人間は直感的に「光」が原点であることを知っていたのかもしれない。
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