#レビー小体 型認知症
身内にいるので書き留め。機序とかその辺は散々医療・看護・介護系で書かれているのでざっくり。
●概要
「レビー小体」と呼ばれるタンパク質が脳内神経細胞を置き換えて行く。応じて認知・運動機能が影響を受ける。
●主な態様
①認知機能関連
・悪夢を見る:応じて叫んだり夢遊病的に振る舞ったりする。
・見当識障害:場所がわからなくなったり上下感覚が安定しない。墜落感・回転感を伴うことも
・幻視・譫妄:あるはずのないもの、いるはずのない者、あり得ない現象が見える。聞こえる。思い浮かべたことと事実現実が混交する
②運動機能
・歩行能力低下:もつれる。転ぶ
・発声障害:発音不鮮明。ろれつ回らない
・パーキンソン病類似の震え(震顫)
・便秘,傾眠
で、進行と小康状態を繰り返しながら全体としては進行して行く。アルツハイマーと異なり人間の尊厳に与える影響は軽微とされる。
「入院すると一晩でボケることもあるからご認識くださいね」
以前、入院のタイミングで言われた話。今回そこまでではないものの、2日で一気に「進行」し、V字で「戻った」。
根本的に脳梗塞の部分があるので、これによる機能不全が発生すると、①②とも深刻な様相を呈するようだ。
今回はパーキンソン病類似の震顫が大きく出現したことから始まった。なお、震顫自体の発生メカニズムは、本症状とパーキンソン病単体とで同一である。
横たわって程なく「長く連絡の取れなかった知り合い」が枕元に立ったそうである「話しかけても答えない」。
「ベッドが動き、部屋の調度のレイアウトが変わった」と訴える。ベッドは電動で100kgある。
何らか段差をテーブルと誤認し、湯飲みを置いてほしい。
眠くて仕方がない病なので寝入るのだが、夢見の段階で多くの場合現役サラリーマン時代の記憶が反芻される。今回はそこにある国家プロジェクトの中枢人物が加わり、会議に参加し「豪華なお弁当を『要するにオレ』が手配して食べた」
一方で娘を社内別部署の女性スタッフと勘違いしたらしく「新人かね?」
これらは、解説・説明がつけられる。
まず脳内神経細胞とともに失われて行く記憶は「新しいもの」であるから、覚えている範囲の記憶が支配的になる。現役時代であり、娘の存在が消えているのである。
日中はほぼラジオを聞いているので、ニュースで全面に出てくる中枢人物への印象は大きくなる。
ベッドは要介護度の切り替わりの際、一度置き換えている。
ほか弁は在宅勤務展開後、よくオレが手配して一緒に食べていた。途中、娘の卒業祝いで「すき焼き弁当」を食べている。
ラジオで中枢人物の出ている会議の模様が流れ、応じて現役時代の会議の様子が当てはめられ、日頃国家プロジェクトに対する申したい一言が出てきた。飯は説明不要だろう。
さてレビーへの対応で肝要なのは、当人には「現実」そのものだということ。「ない」「ありえない」として否定しまくると人格を傷つける。主張の正当性を本人に考えさせろとかよく言われる。視界にあり得ないものが合成される「幻視」については、「いる」「ある」と主張する部分の配置を変えたり布で覆うなどするとあらかた解消される。中枢人物との会食はどうだろう。今回はとりあえず話を合わせたが、それはそれで肯定しすぎると幻現が混交し分別がつかなくなる事態へ発展する。「どうやってそこへ行ったの?」とか聞けば良かったか。ちなみに「豪華弁当」によって夕食は拒絶した。これは血糖低下の反応と相反するので様相の深刻化の兆候にも感ぜられたが、この日胃腸の調子が悪く、「食事を摂ること」そのものに抵抗感があった可能性はある。なお、この場合「食後の薬」を空きっ腹に突っ込むわけに行かないので「飲んだ」ことにし、入眠剤だけ用意した。もし「方便」で薬を与える必要がある場合は、ビオフェルミンやチョコラBBみたいな何も起こらない系や、サプリメントの錠剤があるといいのだろう。
一晩明けて震顫は収まり、応じてこうしたかなり進んだ認知症状も収まり、娘もちゃんと認識できている。脳への血流低下で「記憶」「現実」が混交したのだと理解できる。が、「進んで、戻った」そこは前の位置より進んだところであり、なれば次に「進んだ」時、さらなる状態が起こりえると想起される。ちなみに一度「家に帰る」と夜中の3時に玄関を開け、セコムが発報したことがある。
QOL、守るために。
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