ダーウィンよ来い
「外来種が定着する機序」
ダーウィンが悩んでたとか。
・在来種と似ているから定着しやすい
・在来種にないパターンだから定着しやすい
どっちか。というわけ。身近な例で言うと、「似ている」はアメリカザリガニとか。「ないパターン」はこのブログでも紹介したツマグロヒョウモンとか。
んで、この論文は「多様性の宝庫」である日本列島で調べた結果「どっちもあった」というもの。
少し引用。
・日本の地理区と同じ原産地の外来種の場合、日本の地域の気温に適応して侵入し、同時に、人為活動による土地改変にも関係して、日本国内に外来種ホットスポットを形成していました。
→これ典型は「セイタカアワダチソウ」じゃないかな。ただ、あの草本は、根付いた土壌の養分をものすごい勢いで吸う上、ライバルの芽吹きを押さえる物質を放出していて、結果として「自分の次の世代」が生育しにくい環境にしてしまっている。ススキが挽回してるとかなんとか。同じメカニズムでアメリカを侵略してるのが夏の蔓草「クズ」。
・日本の地理区と異なる原産地の外来種は、気候などの環境条件とは無関係で、人為活動による土地改変に関係して、日本国内に外来種ホットスポットを形成していました
→ツマグロヒョウモンはこれでしょう。スミレ系統=パンジーを好食する。
そして。
・大都市周辺に外来種ホットスポットが集中していました
図を引用させてもらいましょう。東京・名古屋・大阪……まぁ一目瞭然ですわね。「ヒアリ」とか「セアカゴケグモ」とかこの類い。
「 今後の温暖化によって、熱帯由来の外来植物が日本の北部地域へ分布拡大すること、あるいは、都市化による土地改変が外来種の由来とは無関係に生物学的侵入を加速させることが、予想されました」
結言のこれは要注意でしょうね。「ツマグロヒョウモン」「ヒアリ」「セアカゴケ」これ全部南方系。温暖化すれば応じて広がる。
でね。
「セアカゴケグモ」の「ゴケ」って「後家」の意味で、これは交尾中にメスがオスを食ってしまって「後家」になるから……という英名「widow spider」に基づく和名なんです。この種類に「世界一猛毒」の「クロゴケグモ」(black widow spider)ってのがいて。
そこらのどぶ板の裏とかにグシャグシャの網を張ってる「オオヒメグモ」って奴と住処・食い物ほぼ一緒。でもって毒は強い(ヒトでも死ぬ)。
日本に入ってきたら(もういるけど)、どうなるか。
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