必要こそ発明の母
いや別に「外為法上の『り地域』」を揶揄するためじゃないんでやんすよ。かの国も事情は一緒で、気質的により表に出やすいのかな、と。
「特許」
よく地域の発明家や自由研究KIDSが出したと取ったとニュースになってますが。
・出願:特許庁に特許にして、と審査を頼むこと
・公開:出願より1年6ヶ月後に「こんなの出願されてます」と公開されること。侵害や先行出願(先に考え出された)がないかこれで確認
・登録:「特許」として認められる。ただし維持するには費用がかかる
こうなってるんでやんすよ。発明ニュースは「出願」と「登録」をゴッチャにしてるキライがありますが、商品として販売しないと(根本的にそれを独占する権利なので)一方的に金を取られるだけ、になるわけ。審査から権利満了までの20年にかかる費用はざっくり100万。商品化……モノを大量生産するにはそれなりの設備と材料がいるので、それら初期投資も込めて儲けを出そうとすると、よほどイノベーティブなものじゃないと手が出せない、こうなるわけです。
で、企業活動ではそれが前提なので「独占販売するためにとにかく特許取れ」こういう指令が研究開発に下ります。でも発明ってなにがしか「克服すべき課題」があって、「よりよくできる気づき」が結びついてできるモノなので、「課題と解決」を探すならまだしも「特許を取ること」が目的になるとgdgdになるわけ。「冬のPC作業寒い。ピコーン!USBでスリッパにヒータ入れて暖めればいいじゃん」
「却下」
みたいな。でも、ノルマがあるので数撃ちゃになって、「リチウム電池で動く電気スリッパ」「ヒーターじゃなくてペルチェ素子(※)で動く電気スリッパ」とかになっちゃう。「産業上の利用分野」って項目を書く必要があるんだけどねぇ。結果、「本当に解決すべき課題」に目が行かず、膨大な時間と費用を割いてゴミが量産される。
スマホのような「こんなのがあると便利」なイノベーションはなかなか生まれない。けど、「これ面倒くさい」「なんでこんなことする必要があるの?」「もっとこうなればいいのに」ってのは生活や仕事の中で案外あるもの。
特許はあくまで「手段」を権利化するもの。目的じゃないわ。
※最近のビジホによくある音のしない冷蔵庫に使われている。冷やす反対側は温まる。
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