あげはちょうのかんさつ
「大きい子いないよ!?」
「サナギ直前の水便してるからサナギ準備で木から離れたと思うが」
なぜ、そこにしたし。
しかも固定糸かけちゃって動かせねーじゃんか。
8月27日に玄関先レモンに幾らか孵化を確認。いつもアシナガバチに狩られてしまうので屋内に取り込んでみた。
13~14匹孵化したのだが、サナギになれたのはなんと4匹。クロアゲハを中心に次々死んだ。
・七転八倒し落ちる(野生ならここでアリやトカゲに食われる)。
・性状の悪い糞をする。その間動けない(野生ならそこでハチの餌食)。
・上記糞が出ず動けなくなり、体力を消耗して死ぬ。
なんだこれは。実家はサンショウの木が生えていてこいつら付くので育てたことあるが、そんな症状見たことない。あるいは「変死」した個体が実は同じ症状だったのに気づいてなかっただけかも知れないが。
花を食う奴がいて、これの所為かと疑って花を摘み取った。しかしまだ症状を呈する者がいるので「葉っぱを食う」自体にリスクはあると見込まれる。そして、日付が進行するほど、これらの症状を呈する個体は増えていった。
仮説として
・そもそもある程度の毒素を作っている植物である(食害対策で毒素を作る植物はある)
・季節の進行、あるいは果実の成熟に合わせて毒素の産生が増える
・毒素の産生は一定だが、食害で葉が減少する結果、個々の葉に含まれる毒素は増大する
「食わない葉っぱ、そこへ行こうとしない枝」があるのだよ。食草の要件は「引き寄せる」「噛みつかせる」「飲み込ませる」成分を持つこと。どれか欠けているのかも知れないし、逆に虫が毒素を検出しているのかも知れない。
ちなみに上記症状を呈した個体は見つけ次第その性状の悪い糞をすべて出させることが必要である。人間で言えば「下痢なのに便秘」の態様であり、応じて七転八倒に至ったと推察される。手のひらに載せ、体温で活動を活発化させるとともに、身体を頭から尾に向かってさすり続け、排便を促した。
なお1個体は前蛹の状態で落下し、古代エジプトのミイラのごとく「野ざらしのサナギ」と化していたが、棺桶スタイルの小箱に移した。
結果として:「天敵に食われた」個体は出なかったが、生存率は1/3だ。
だから大量に産卵する……知識として知ってはいたが目の当たりにすると慄然となる。
レモンよ大量に食わせてごめんよ。
(本件終わり)
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