TAD-ME1 @BluSwing を奏でる
(選択決断までの経緯とかあーだこーだはこっち)
Blu-Swing。JAZZユニットでござる。ドラム・パーカッションの宮本さんが他の歌手さんのサポートで参加していてそこから。ヴォーカルは田中裕梨さん。インスト曲もある。J-waveで流れたりするので東京の方はご存じの向きもあるかと。メンバー個々の活動状況は公式参照。個人的には「深夜の首都高でナトリウムランプを浴びながら流すように走る」時に聞きたい。以下いくつかピックアップ。全てCDよりリッピング。
●Shining(from「Bottom Line」)
バスドラムが腹に来る、が、そこまで出せるのはこのシステムならではだろう。サンプリングされたキーボードの音が飛び交い不思議空間を作る。意図的に位相を回しているとみえ、音がぐるぐる回る。Voはセンター大きめに定位。全体的に音が前に来るので包囲感があって気持ちよい。
●CELL(from「1212」)
「鼓動」を思わせる地鳴りが入ってるが、一定以上の装置じゃないと出ないだろう。ギターがメインのインスト曲で充分にクリアなのだが、ハイレゾ耳は倍音を欲しがる。
●FIND YOUR WAY(from 「FIND YOUR WAY」)
タイトルトラック。Blu-Swingってこんな感じ、とまず紹介したい楽曲の一つ。BPM高く技巧は超絶でいかにもスムーズ・ジャズ。こいつのドラムの鳴り方は出色ものだ。カリカリに描き分けるME1との相性はすこぶる良い。ただしあまり左右スピーカ間の距離が近いと裕梨ヴォーカルが埋もれる。
●太陽のベール FEAT. VASKO VASSILEV & PAMELA NICHOLSON(同)
貼り付けたyoutubeの曲。スピーカと二等辺三角形の頂点で対峙して聞いてるわけだが、質の高いBGMにもなる。左から弦、ドラム、ヴォーカル、ギターと並び、豊かな空間を作る。間奏でソロパートのある弦はVASKO VASSILEV(ヴァスコ・ヴァシレフ)氏で、英国・コヴェントガーデン・ロイヤル・オペラ・ハウスのコンマス。惜しむらくは倍音が~だが、それはハイレゾ病。
●ひとひら(同)
いやいやこれこんなベース盛り盛りだったっけw。ベース、ギター、ドラムス、ヴォーカル、個々、克明に切り分けられる。峻厳と書いてもいい。「重なり合う夢のひとひら」ってリリックなのだが、対立軸としては面白い。
●Processed Blu(from「Revision - Us Edition」)
打ち込みベースのインスト曲。ディストーションがかかっていて、それを解像度良く出す(綺麗なひずみ!)。低音が多く、再生は難しいソースと思われる。豊かな高域による定位感は得られにくいが、位相によってぐるぐる回るし包囲感がある。ただそれは波形再現性の正確さをシステムに要求する。この曲バランス良く聞こえたらそのシステムは当たり。
●Fly High(from「Transit」)
ペットが前に出てVo控えめなので、装置によってはスピーカを内振りにすると良いだろう。生楽器なのでしっかり音が前に出、明確な定位が得られ、このスピーカーの美徳「スピーカーの存在感がない」が味わえる。音楽の演奏されるステージがあって裕梨さんがマイク持ってる。
●Sunset(同)
「太陽のベール」のアンサーソング的な部分も。これは裕梨さんヴォーカルと対峙する感じになる。定位は中サイズで中央やや上め、浮遊感あり。ブラスは基本左に定位だが、時々右に大きく広がり、ちょっと不自然かな。
●Syndrome(from「ARRIVAL」)
Transit→Arrivalと。さておき、これもヴォーカルがメイン。なので引っ張られがちだがベース、ギターの弦裁きも聞き逃せない。エンディングに向かうベースの音程がどんどん下がって行くがどこまで出るかな?
●満ちていく体温(from「FLASH」)
身体揺らしながら聴く曲だろう。音像が中央に寄りがちなので、各楽器を描き分ける能力を要求される。ブラス朗々と響かせたい。
●FLASH(同)
タイトルトラック。Voサイズ大きめ。その代わり浮遊感がある。このアルバムは全体的にレンジがやや狭め・浅め(その代わり「濃い」)なのでシステムのノイズフロアを下げたい。
●雨(同)
ギター一本とヴォーカルで進んで行く。さびからドラムスが加わるが、バスドラムの音が聞こえますか。切ないリリックと対立軸を成すのだが聞こえる/聞こえないで印象が変わる。
■まとめ
なに?アルバム全部持ってないのか?ライブのたびに物販で買うからいいんだよ。さて聞き返して驚いたのが「豊かな低音」である。中村さん、これ聞こえるシステム少ないと思うよ?骨太さ、重心の低さ、安定感が出てくる。それは傑出した「大人女性ヴォーカル」である裕梨さんの声に説得力を与える。そしてもちろん、ブラスやドラムスのシンバル・ハイハットの金属的な響き印象を強める側面も。
打ち込んで画面上にペタペタ置いて行く「音作り」の時代にあって、ちゃんと人の手で演奏している生楽器には、豊かな響きと倍音、応じて得られる定位感や音場と共に、その緊張感もちゃんと伝わってきて、記録された情報をきちんとほじくり出して音にしたいという欲求をくれる。ただ惜しむらくは現下CD音源どまりになっていることで、ヴァイオリンや管物、シンバルの倍音にそれを感じ取れてしまう。ハイレゾを、ハイレゾを~。
興味を持ったあなたは、コロナ落ち着いてライブが再開されると思うので、公式見るなりツイッターフォローして近場に演奏を聞きに行かれると良いだろう。回し者からおすすめしておく。
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