TAD-ME1。プリキュアを歌う @precure_marv
(選択決断までの経緯とかあーだこーだはこっち)
●冒頭の能書き
娘に「テレビでアニメを見る」を解禁するにあたり、アンパンマンの後継として見せても問題なかろうと色々検討した結果がプリキュアだった。「アニヲタ受けが良い」というのは目の肥えた彼らにとってそれなりにしっかりしてる裏返しであろう、という目論見による。「スプラッシュスター」からであったが、「無印」「MH」を追ってDVDで補填している。程なく音楽を聴き始め完成度の高さに驚き、オーディオソースとして十全なものと判断して歌手の応援含めて「ガチ用」に編入。この過程で自分自身が学生の頃から探していた「アート引越センターCMの声」……うちやえゆかさんを知ることになったのはまさに「超絶の邂逅」であった。2011年からは彼女を含め主題歌歌手の無料ライブ、そして千葉住みの地の利を生かして歌手や声優のライブに娘と出かけるようになる。ただし、楽曲を声優が歌うのが主体となって以降、コレクションは途絶している。なので、ここに出てくるのはそれまで。え?トロプリ?見てるよ~。デリシャスパーティもまずは試食してみる予定だよ~。以下、ファイルフォーマットは全てCDからリッピングした44/16。
DANZEN! ふたりはプリキュア (ver. Max Heart) 五條真由美
綺麗でキラキラだねぇ。管物輝かしく耳元飛んできて透明感この上なし。意外や五條ヴォーカル柔らかめに表現され、優しさというか愛がみえるわ。
~α~ 中司雅美
知ってる?カラオケで歌うとコアなファンに受けるよ。ドラムが通奏受け持ってて意外にズンドコ来る。パーカッションの表現にこのシステムの歯切れ良さが存分。管物が前に出てくるので若干ヴォーカルにかぶるが、そもそもクリアネスが高いので録音が20年近く前という感じはない。
情熱∞ 五條真由美
ひたすらかっ飛ばすヴォリューム食わせたい佳曲。ライブ行ってみ?鼻血出るほどカッコイイから。非常に締まった低音をたたき出すので心臓脈拍同期して行く印象を受け取る。
BeautifulWorld うちやえゆか
後に「スプラッシュスター」のOPを歌うことになるうちやえゆかの「プリキュアデビュー」曲。ゆったりしていてオルゴール音で始まるが、定位が鋭く小さいので、その「ポツンと」感がキュンとくる。2番の重低音(楽器不明、ティンパニ?)出るシステムあるか?
まかせて★スプラッシュ☆スター★ うちやえゆか with Splash Stars
耳元はじけるハイトーンボイス。弦のピチカートの粒立ち。
サイズに似合わぬ低音をひねり出す。コーラスも含めことばの一つ一つの発音が克明で明瞭。消え際の微小音・余韻の表現が凄い。
(先回記事の再掲)
エガオノチカラ 五條真由美
すげー、ドラム強え。グルーヴ感抜群のギターに乗せて高低自在に駆け巡る五條ヴォーカルが堪能できる。なお、ヴォーカルの「口のサイズ」は中程度。スピーカ線より前。すなわち眼前に定位。
奇跡の雫 うちやえゆか
口元サイズ大きめ。いややえさん好きだからいいけどね♥。「すぐそこ」で歌ってくれるんだぜ。浮遊感があり、「きらり」という歌詞をちゃんと「き・ら・り」とスタッカート言わんが切って出してくれる。スタジオの響きと思われる付帯音(ひずみ成分ではない)が録れている。
プリキュア5、スマイルgo go! 工藤真由
少し浅くて荒い気もするが、くどまゆヴォーカルの元気さが前に出てくれば良いのでマル。コーラス(ヤングフレッシュ)は左右スピーカ間に広がるので少し引き伸ばした感がある。間奏前にギターの音があらぬ方向へすっ飛んで行くが、出るシステムあるのかこれ。金物は若干の付帯音を有する。
プリキュアfly 工藤真由
冒頭くどまゆ声だけが目の前に忽然と現れてハッとする。ハキハキとした発音はシステムの性能とマッチして高い解像感を与える。音像を介して唇や声帯の震えすら見えてくるかのようだ。
Rose in Rose 五條真由美
重心が一段下がり、嵐の前のような、不安を覚えるようなイントロに震える。ドラムスの音の一つ一つがカチカチ切り取られ、五條真由美の声が乗って行く。音質をチェックする以前に引き込まれてしまうのでチェックポイントがおろそかになる。ベースの太さよ、ブラスの輝きよ、燦然と輝く金色の音のシャワーに耽溺せよ。
(前回記事再掲)
プリキュアからの招待状 工藤真由
くどまゆヴォーカルはさておき音域としては高域に寸詰まり感があるかな。特にピアノが丸い。言い換えるとヴォーカルの比重が高い。歌詞が強いのであまり気にならないが。
ミルク・ミラクル・ミルキィ伝説 ミルキィローズ(CV仙台エリ)
音質感は「~招待状」に類似。仙台エリ(21年から事務所立ち上げ社長さん)ヴォーカルは頑張っている。バックトラックもっと盛っても良かったんじゃないかな。
You Make Me Happy! 林桃子
林桃子(→現・林ももこ)の声はハスキーだが、その奥に細かい何かがあって聴覚中枢をくすぐる中毒性を持っており、故にハイレゾで録って欲しいのだが。さておき、少しオトナっぽい仕上がり。打ち込みで置いてある音なので、スピーカの間にそれらがぽんぽんぽんと並ぶ。ハンドクラップの裏で鳴ってるバスドラの音が聞こえれば勝利。
ミライノキミヘ 東せつな/キュアパッション(CV小松由佳)
吹き替えやナレーションがメインの彼女は歌は少ないがスゲー頑張ってるの伝わる。ギターとシンセできらびやかな音作りの中で埋もれないヴォーカルは、低めアルト系で大人っぽく、素晴らしい。女性ヴォーカルをかわいらしく再生できても大人っぽく(低音に芯を持って)再生できるシステムは多くないのよ
MOON ~月光~ ATTACK 月影ゆり(CV久川綾)
「声優は歌って当たり前」が浸透する直前の時期の楽曲。ギターとシンセとドラムスである。音数が多く、めちゃくちゃ格好いいのだが、比較的中央に音像が寄るのでシステムによってはヴォーカルがカブられるかも。
Alright! ハートキャッチプリキュア! 池田彩
シンセがメインでキラキラサウンドが目の前を駆け巡る。彩ヴォーカルは中央高い位置に定位し柔らかめに展開。池田彩も一聴するとハイ寄り元気ヴォイス、なのだが、粒子感まとっていてハートキャッチされる。いっぺんホイットニー・ヒューストンの曲あたり歌って欲しいがどうよ。
スマイルエール 工藤真由&池田彩
シンセとギターとドラムスでスピーカ線上に音が並ぶ。ツインヴォーカルは共にセンターでハモりは重なる。跳ね回るような軽快感がたまらん。
100%ヒーロー キュアピース(CV金元寿子)
かわいらしい声絶品の金元寿子にドラムとギターがかっ飛ばすゴリゴリロックを歌わせた制作陣に敬意。バスドラムがドスドスする中コロンとした声がセンターに定位してよろしい。
負けない翼で 黒沢ともよ
黒沢ともよはその後の声優活動めざましく。さて本作はドが付くめろめろのバラードで、ギターとドラムスが淡々とバックトラックを紡ぐ。その中でヴォーカルはセンターに定位して朗々と歌い上げる。
愛の力 キュアエース(CV釘宮理恵)
腹に来るドラムスとベースの二重低音がくぎゅーボイスと良い対立軸になる。この手のステップを刻んで行く楽曲はこのシステム得意とするところ。釘宮ファンはコレ聞くためだけにTADとアキュフェーズ買え。値段?気にするな買え。借金してでも買え。耽溺できることだけは約束する。
勇気が生まれる場所 キュアラブリー (中島愛), キュアプリンセス (潘めぐみ), キュアハニー (北川里奈), キュアフォーチュン (戸松遥)
映画で流れて「うぉぉぉ」になって買ってきた。4人ヴォーカルなので低音はもっとあっていいと思うが、チト重心が軽いか。コーラスが美しくハモる。
●まとめ
いきなりネガティブな物言いになってしまうが、後作に(新しく)なるほど音像としては後退し、スピーカ結んだ線から前へ出てこなくなる。このシリーズ一部ハイレゾ版があるのだがそれは変わらない(なので取り上げていない)。定位感は高周波成分がもたらすもので、言い換えると情報量が足りないのである。せめてOP/EDや映画用は生楽器もっと盛って欲しい。
さておき、20年分聞き返すと声の魅力を再発見できたり、とりわけ低音系楽器の仕事があちこちマスクされていたのを発見できて良かった。歌手(まいこ、やえどん、くどまゆ、いけあや、ももさん)は生声知ってるが、かなり肉薄できてきていると感じる。ちなみにCDの音が古く感じると別記事で書いてるが、このシリーズに関する限り、元気さ明るさをモチーフにしている点はあるにせよ、ドンシャリ明快な音作りもあって、古い、悪い、と感じることはない。カリッカリに刻んで行く再生スタイルと良くマッチしているようだ。
声優歌唱について言うと、最近の声優さんは歌い慣れてる感があり、音程をあーしてこうしてがスピーカの向こうに聞こえるようなことはないと思う。なので推しがいてイヤホンから解き放ち部屋に召喚・降臨を企む場合、アキュフェーズ→TADの組み合わせはおすすめ言わんが選んだなら決して後悔をさせない。
否、くぎゅファンは買え(ソナスはオペラ向きだしB&Wは素材の音がするのでTADの方が良かろう)。
●2023/7/23 「ひろプリ」ヴォーカルアルバム1はこっち
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