Sonus faber LUMINA Ⅰ
●結論:「良い音を出す」。聞いていて心地いい大変コストパフォーマンスの優れたスピーカーである。手放しでおすすめできる。
★2024/2/13追記。この記事は「LuminaⅠ」について書いたもの。Lumina II Amator(27まんえん)ではございませんので念のため。
●冒頭の能書き
ソナス(いつも思うがカタカナで書くとポケモンのソーナンスを思い出す)
やり直し。
Sonus faberのスピーカーには好印象を持っていて、テメェで書いてる小説の主人公娘にエレクタアマトール持たせたりしている。
寝室でDENONのレシーバーにぶら下げていたBOSE121がしんどくなってきた。そりゃ在宅勤務で朝から晩までTAD聞いてりゃ不味くもなるわと思っていたが、それにしても持ち前の「元気さ」がないので何年ぶりかにネット外したらコーン紙にカビが。まぁ30年近いからね。で、後釜を探しに名古屋は大須(おおす・秋葉原みたいなところ)の中古屋を流離っていたら出くわした、という次第。一方、リビングのシステムはテレビの位置からドルビーシアターに組めないので縮退させていて、音源・アンプ・スピーカーで「鳴りゃいい」にしていた。アンプはDENON PMA-600NE、内蔵のDACにパソコンから叩き込み、ケンブリッジオーディオCX-50という構成。ちなみにこちらも「不味く」は発生していたのだが、円盤再生機をDENON DCD-1600NEにしてSACD回したら、内蔵DACより良い音で再生された。すなわち「描き分ける」。つまりアンプこのままでもう少し改善できる余地がある。で、出くわしたのがこの子。なれば、サイズ・デザイン・接続システム……全ての条件がこの子をリビングに、玉突きでCXを寝室にというのが自然であろう。収まって首記の写真の通り、というわけだ。広辞苑よりちょいとデカい。定価で買うと10万円。
●音質
あ、すげえ、「女性ヴォーカル」に色気与える。 pic.twitter.com/nRcKOhZ4KX
— すのぴ@キュアカイシャイン (@sunop2000) December 18, 2021
とりあえず理屈抜きに「SOUND of DESTINY」CV水樹奈々鳴らして録ってこの通りでござる。不自然さ無く聞こえると思う。録音再生繰り返して行くと原音の情報が次第に欠落していってgdgdになるのだが、こう、ツイッター経由でちゃんと聞こえるというのは、原音の情報が十分に保たれているということ。色々鳴らしたが、女性ヴォーカル、弦モノを非常に艶っぽく、色っぽく鳴らし、魅力的でずっと聞いていたい気持ちにさせる。もちろんTADに対峙すると「差はあるな」なのだが、比して不味い、とは思わない。むしろ「キカイとして出しゃばらないのに間違いなく高級機の音がする」と表現でき、デカくて無骨なキカイを生活空間に置かないで!と言われている向きには手放しでおすすめできる。逆に言うとサイズとデザイン優先でキカイを選んだとしても、
(それこそ寝室のDENON)
出口をこの子にしておけば、それなりに鳴ってくれると期待できる。
●外観・構造
デザインを含め各所に工夫がされているので少し紹介したい。
ネットを付けた姿はこの通りである。横っ面はレザー仕上げ。家具っぽいアプローチとご理解いただけるであろう。ネットは磁石でぺったんで、しかも場所がずれてると反発して正しい場所に導かれる。
底面。「スピーカーの置き方の基本」は、スピーカーの振動を置いてある部位に伝えないこと、である。置いてある台や床が別な音を出さないように、というわけ。このため「金属の上に針を使って立てる」(針は細いので振動エネルギが通過できない)を理想とし、近づける工夫がなされる。次善の策がゴムやゲルで振動を吸収させる、となる。比してこの子はスポンジ状のシートを貼ってある。次善に近い策と考えられるが、それよりも次に紹介する低音用空気砲「バスレフ」の構造を踏まえた設置の便「置くだけで十分」を狙ったモノと思料する。
そのバスレフの砲口。空になった瓶の口で息を吹くとブオーンと音が出るが、その理屈(ヘルムホルツの共鳴)を低音増強に応用したのがバスレフ:bass reflex方式で、一般にそれこそ瓶の口をこちらに向けて突っ込んだような丸穴、
(その空気砲だけの低音専用スピーカー・ヤマハNS-SW210/生産完了)
にするが、この子は風切り音の低減と意匠面(要するに丸穴はダサい)からこのようにスリット状にしてある。従ってスピーカー底面全体が重低音を通すことから、そもそもその遮断が必要で、このようなスポンジ仕上げになったとみられる。それは同時にそこらにポン置きでも振動遮断効果を持つし、スタイリッシュなスピーカーにメカメカしい振動遮断グッズを付けなくて良い、こういうわけだ。
背面。スピーカー端子4つあって、何とTADと同じバイワイヤリング対応である。ちなみに一部評論家がこのショートバーを変えたら音が変わったと書いているが、自分の場合上の端子(高域用)のねじが緩かった。評論家氏の個体もそーいうのでインピーダンスが高くなっていたのではないか。こんな電気抵抗ミリオームレベルの長さで音が変わってたまるかw。
メイドインイッターリア。同社はご多聞に漏れず安価機種は中国生産……だったが、この子は同社再安価、にも関わらず、本拠地イタリアに戻っている。逆に言うとセンスの良い意匠面とパッケージングはイタリア製だと書けば「なるほど合点」というところか。しかし製造番号が若い。
●その他
インピーダンスが4Ω。能率が84dB。このことはそれなりの音量を得ようと思ったらたくさん電流を流してやる必要があることを意味する。つまり「出力のデカいアンプの方がいいぞ」というわけだが、PMA-600NE 4Ωで70Wにてボリューム8時くらいで「邪魔しない音量」得られる。痩せるでなく好バランス。ちなみにこのアンプ、小音量時はボリュームの回転に対して音量の変化ステップが大きすぎる傾向があるのだが、ルミナの場合は同じ音量得るのにより多くの電力を食わす=ボリュームをより大きく回さねばらない状態になった結果、ボリュームに対する変化が適切になった。ただし、多少大きくしても質が良いのでうるさく感じない。
これで個人的には土日鉄道社長室ガチ音質指向、リビングはインテリアを邪魔せず実は高音質、寝室は寝る前に聞ければ良い……それぞれ良い点でバランスした
●まとめ
素直に「良い音」と言える。もちろん良く聞くとバイオリン艶が乗りすぎだし、ピアノもちょっと金属的なのだが、それが心地よい響きを作っているのでうるさく感じない。出色は女性ヴォーカルで、紹介した水樹奈々のほか、EnyaやKalafinaも大好物で大変魅力的に再生する。低域は頑張ってる方で、艶っぽいバイオリンと相まってドンシャリと言ってしまえばそれまでだが、上品にお化粧されているので無理な強調感はない。サラ・オレインなんか綺麗を極めて迫力も備わってニヤニヤ笑っちゃう。あ、スペック的にハイレゾ対応の対象にならんが、ハイレゾ突っ込めばしれっと44/16以下との差は描く。ハイレゾの恩恵は得られる。
100点やるよ。「広辞苑」より一回り大きなサイズ定価10万円はギュッと詰まって高密度だ。え?こんな小さいのに10万も出せるか?並の10万トールボーイが大味に聞こえるぜ。同じ1万円の料理なら2人前と1人前どちらが良い食材を使っているかな?コストパフォーマンスは極めて高い。
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