父を送りて
立派な戒名を頂戴したので位牌に掲げる。待たせてしまった結果、初七日法要も同時。
送り出す前に時間をもらって謝辞を述べる。生前にありがとうと伝えるタイミングが無かったので、参列いただいた近所の皆様への謝辞を込めて。
父が大好きだった石原裕次郎を流してもらい、父が生前、買うには買ったが遂に袖を通すことの無かった礼服を自分が着て。
最初は抱き上げられ、肩車に乗せられ、手を繋いで歩き、やがて肩を並べるように。
言い争うこともあるにはあったが、基本、温和であり、受験や就職といった試練では最大の味方であった。
やがて自分自身も父となり、孫の姿を見せると、父は相好を崩した。その時、父は、「おじいちゃん」になったのだろう。以降は、郷里は長野であったが、八王子を永住の地と定めたか、大病を得ながらも、地元のために行動した。たくさんの人々の協力を得て、その活動は支えられた。支えて下さった方々が、焼香にも訪れて下さった。
父の姿を、我々が父となってなぞった結果が、孫達の数多はなむけの折り紙に囲まれた父の姿である。それは、父への最大の孝行であり、父の人となりの証であろう。
父よ、さようなら。そして、ありがとう、お父さん。
父を抱き、帰路につく。
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