星の生まれかた
(国立科学博物館)
「太陽系はどうやってできたか」ってのは、教科書を見ると太陽の周りにチリの円盤ができて、そのチリが各所集まって惑星になったと説明される。ただその場合、チリは重力の強い太陽の近くの方が多くなるはずで、木星とか土星とか、図体のデカい奴らがむしろ太陽から離れていることを説明できなかった。
現状、最新の研究では、こいつら成長しながら徐々に外側に移動していった「マイグレーション(migration)」を起こした、と考えられている。火星から内側はそのとき召し上げられなかった円盤の「残りかす」でできており、更にたまたま火星サイズの微惑星と地球が衝突して月ができた。
こじつけめいてくるが、中心星(太陽)の大きさ、温度、回り集まったガスやチリの量で如何様にも進化する、というのが実態らしい。
(すばる望遠鏡/国立天文台)
こやつは「ぎょしゃ座AB星」といって、ここ20年ほど「すばる」を始め世界各所の天文台が追いかけてきた「星の生まれる場所」である。件の「チリの円盤」が存在し、惑星ができようとしている。この星系は形成が始まってから200万年ほどとか。ただ、この原始惑星(中二病な響きだな)「AB Aur b」は質量が木星の4倍で中心星(太陽質量の2.4倍)から93天文単位離れた場所(冥王星が40天文単位なので倍以上)に形成中とか。しからば、当然太陽系とは異なる過程をたどり、異なる星系に行き着く。それは惑星系誕生の謎を更に深めるだろうが、同時にバラエティ豊かな様々な惑星系の存在を示唆する。文字通り「星の数ほど」星の成長と惑星系の成長パターンはあるのである。
翻って、地球という星に生きる我々の存在は奇跡であることよ。
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