早すぎたテクノロジ~381系~
カーブを高速で走り抜けようとするならば、遠心力に対抗して車体を内側に傾ければ良い。
時計でおなじみ振り子の原理を応用しているので振り子式と呼ぶ。
381系という。「しなの」(名古屋-長野)のほか、「くろしお」(新大阪-新宮)「やくも」(岡山-出雲市)などに投入された。1973年。
が、まるしかくの絵の通り、カーブに入る→冷房機等の重さでよっこらせと傾く、という機序なので、実際のカーブより遅れるんですね。鉄ヲタは挙動を把握しているので、少し遅れてぐに~と傾くのを「おお、振り子っとる」とニヤニヤするわけですが。人によっては「乗り物酔い」するわけです。
結果「げろしお」「ぐったりやくも」……。
今は他に「ソニック」「かもめ」「うずしお」など振り子特急活躍しているが、彼らは位置情報に基づいて「カーブの曲がり始めから徐々に」車体を傾ける。逆に言うとこの技術、少し早すぎたかと。
中はこんな。車体が傾く、裾回りがはみ出して危ない→丸っこくする→狭い。なおこのダクトは床下冷房機から天井の吹き出し口へ冷風を持って行くためのもの。
スピードのために犠牲になったものは結構多かったかな。その点でも「早すぎた」かも知れない。
「こうのとり」に関しては実にややこしい。すなわち、元々福知山線を電化する際にこの人を導入する計画があったのだが。
・車両が高価
・車体が傾く=パンタグラフが傾く(偏倚:へんい)ので架線の貼り方が特殊
→や~めた→「くろしお」でお役御免になった車両を使い回し→乗り心地が悪いと苦情→じゃぁパンタグラフに影響しない範囲でユラユラさせましょうか。
そして。「やくも」が新型に置き換わる。今度こそ「ゆったり」でしょう。まぁお疲れさんだわ。
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