思い出すあの感じ
その昔ウォークマンを持ち歩いていた頃は、アキュフェーズDP-65から送り出し、パイオニアT-1000SでドルビーS型ノイズリダクションを使ってメタルテープに録音、これをウォークマンWM-DD9で聞くという当時最強のキ印なことをしていた。もちろんカセット録音の3パラメータ、レベル・バイアス・イコライザはデッキの自動チューニング「FLAT SYSTEM」を使ってチューニングしている。マニュアルで心持ちバイアス深めにしていた。それはもう透明できめ細やかで、煌めくような「精密な」音がしていた。
しかしどうしたことか、CDフォーマット丸ごと録音できていたはずのDAT、Hi-MD、そして半導体ウォークマンA857、以降のハイレゾ対応でもこの煌めくような味わいは余り感じなくなっていた。耳の老化?実はアキュフェーズの音だった?
と、今日新たな相棒になった1AM2を動かして「ん?」になった。弱ドンシャリと評しているが、その逆効果で残っていた少しの荒さが感じられなくなり、逆に伸びやかさと「精密さ」が出てきた。それは最も耳が良かった時代に聞きまくったあの音の記憶を呼び覚ました。
この感じだよ。
実はアナログ磁気テープというのは「磁気→電気変換」さえ正しく行えれば、後はイコライザと増幅だけだから、DAコンバータの精度やらデジタルノイズの影響やらは発生しない。アキュフェーズ30万円でDA変換済みの音がかなり忠実に再現できていた可能性がある。据え置き30万アキュフェーズの音を磁気データ化して持ってたわけだ。一方ウォークマンはDAコンバータからの勝負になるから、実は不利だったのだ。デカいトランスと電解コンデンサから無尽蔵に動作電流を得られる並列動作DAコンバータと、常にノイズと戦いながら限られた筐体の中でメモリマネジメント、DA変換、イヤホン駆動まで全部電池で対応するウォークマン。
べらぼーな価格帯に属するA1M2だが、それでもアキュフェーズ半分に過ぎぬ。だが、本日確認できた音は、その30万を経由してきたあの時の音だ。25年かかってようやく追いついたか。しかし何が更に変化したのか。
バランス駆動の使用時間は220HRを超過。まぁ、通電時に機械的ストレスが生じるようなところはほぼこなれてきたのでは、という気がする。あとはコンデンサ。化学反応を要する電解コンデンサは、使い込むことで酸化←→還元がよりスムーズになり、過渡応答が良くなる。デジタルアンプなので、如何にパルスを矩形波に近づけて出すかが勝負であり、まぁその辺ができるようになってきたのだろう。
ならば、歓迎だ。
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