#ハイレゾ バイ・ワイヤリング接続への道その2
●更なる能書き・導入を考慮した屁理屈
なに?長い?「やりました。こうでした」で良い?本当に?オーディオってエレクトロニクスよ。
■専用ケーブルは必要か?
バイワイヤリングの上には、もう、アンプ自体専用のものを用意する「バイアンプ」接続があって
(クルマでやってた。カロッツェリアx。ハイレゾ時代まで残ってればワンチャンあったのに)
当然アンプとウーファー、アンプと中高域は別々のケーブルにならざるを得ないのだが、今回はアンプ自体は1台から配線すると。
・今使っているケーブルに何らか購入して追加する
・同じケーブルを2本使う
・4本束のケーブルを使う
・「バイワイヤリング用」として性能をコントロールした4本束ケーブルを使う
こんだけ選択肢があって。まず、何本も床がケーブルを這うのはスマートじゃないので「4本束」は決めていた。問題はその中身。
高域、とりわけ超音波領域を有するハイレゾを通すと「表皮効果」という奴を考える必要が出てくる。周波数の高い電流はごん太の導体使っても表面しか流れません、という現象のこと。具体例として電磁調理器で鍋の底だけ熱くなるのは表皮効果のたまもので、あれで電流は20kHzくらい。つまり考慮することは大げさじゃないわけ。
通電深さδ=(1/√(π・周波数・比透磁率・真空の透磁率))……銅で20kHzで計算すると23mm。40kHzで16mm
具体的には太くしても意味が無いから細線で、コレを撚り合わせて太くして抵抗を下げる。一方でケーブル同士が対抗する面積が広いと、コンデンサ成分である浮遊容量が多くなり「高周波をカットする(ハイレゾ台無し)」作用を持つため、ケーブル全体を太くしすぎないという理屈を踏まえた構造をしているか?が選択肢の一つになる。検討対象一つ一つコメントするのは避けるが、スピーカーもろともそれ設計のクリプトン、専業のゾノトーン、ワイヤーワールド等々、じろじろ眺めて説明を読んだ。
■長さ問題
スピーカーはタンス両翼にベタ付けしてあるが、アンプは左スピーカの直近くらいに鎮座している。ここでケーブルの長さ問題が発生する。端的には単価高いのでなるべくケチりたいw。左右で長さ変えても良いか。
・左右で音波に復調されるまでの時間差(位相差の発生)考察
・抵抗値の違いによる音量差の有無
「長さは揃えろ」とはメーカ公式でよく見る記述。「最短でいい」とは故・長岡鉄男氏の持論。左右で1m長さが違う時、音波になる時間差は≒1/300000000sec。この間に先に音波になった方が空間を進む距離は0.00000113m(0.01mm)。20kHzの音波の1波長はV=fλより0.017m(17mm)。すなわち20kHz正弦波を1mの差があるケーブルで出力して、耳に届く時、片方は「0.01mm」先行し、位相差にして「0.024度」ずれている、という計算。……頭の位置を0.01mmも動かさないで聴くか?長岡説を支持。
抵抗値。スピーカーケーブルで「ちょっといいもの」は31sq。すなわち「断面積3.1mm2」。平方メートルに直すと0.0000031m2。銅の抵抗率は長さ1m。面積1m2あたり2×10^-8Ωくらいなので、1mあたり「0.006451613=6.45mΩ」
で、アンプE-470で「でけぇ音!」の時パワーメータ-40dB位まで振るんでやんすよ。
取説によると-40dBの時出力は「36mW」(4Ω時)だそうなので、まずP=RI^2からスピーカー電流Iを求めると「0.095A」。こいつが31sqを1m流れることで発生する損失は「0.058mW」スピーカ電力の「0.9%」を持って行かれる。ひっくり返して、長さの差1mあたり「1%」の音量差が生じる。ざっくり。
ぶっちゃけて言うと、「ケーブルの長さの違い」は「スピーカの位置をわずかに調整」することで吸収できる。加えて自分の場合発音体まで2mもない近接試聴なので、秒速299792458m/sの信号が1mの差分で発生させる諸々の差違は「感知できるレベルではない」とした。
以上より、クリプトン社の「SC-HR2000」の切り売りを6m。一番安そうな逸品館さんのサイトで購入してきた。試聴しないのか?どこでやんだよw。こういうときのための屁理屈だよ。
ケーブルの被覆剥きが結構面倒なので(8本2カ所=16回)試聴はドニチで。
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