#ハイレゾ USBケーブルで音質は変わるか?スペシャル・Ifi_Audio「ZEN-STREAM」を試す @iFIAudioJP
……長ぇタイトルだなおい。
このケーブルシリーズの発端の一つは、USB出力付きのNAS「Soundgenic」からUSB50センチでDCD-SX11に入力しているにもかかわらず、プレーヤが楽曲を認識せず音が出ない事象がちょくちょく起こるからだ。で、USBケーブルをぞのとーんにしたが、変化はなく、サンプリング周波数の44系と48系、あるいはPCMとDSDの切り替えで音切れが起こる。SX11がロックできていないわけで、送り出しであるNASの駆動能力の問題またはノイズ混入と結論づけた。
で。
●予備実験・フェライトコアの効果
まず試したのがこいつである。
フェライトコア。見ての通り黒い磁石の原料として知られるフェライトをちくわ状にして中に電線を通して使う。すると全体としては「コイル」として作用し、高周波成分・鋭く大きく変化する電流を抑止する。すなわちそういう性質を持つ「ノイズ」に効く。
ちなみに電源でよく見るこの膨らみこそは中にコアを入れた状態でモールドしてある。コアやコア付きのケーブルはオーディオ用にもべらぼうな値段で売っているが、こんなもの測定器用としてウジャウジャ売っているので、欲しい人はアキバ系の通販やRSコンポーネンツ等で入手をオススメ。ナニ?オーディオ用は高級なんじゃないか?「フェライトの磁気特性」に違いなんかあるかいwなお、写真の奴はTDK製で会社からかっぱらって来た。
で、結果であるが、何と再生中に音がぶち切れるようになった。すなわち「高周波をカットする」能力が効きすぎで、USBに乗ってくるデータ信号そのものまでカットされてると言うこと。なのでこれは逆効果。
●真打ち?「ネットワークトランスポート」
「USBを強く吐き出したい」ここに特化して見つけたのがこれ、ifi Audio(あいふぁいおーでぃお)の「ネットワークトランスポート」である。お仕事はWi-FiまたはLANケーブル上のオーディオ信号をUSBまたは同軸に出力すること。「WiFiでも256DSD(11.2MHz)捕まえてUSBに出してやる」という意気込みの製品で、今回の目的にマッチする。USBにはハードディスクなどストレージをぶら下げることもでき、その場合このキカイ+ハードディスクで「デジタル出力付きオーディオ用NAS」をでっち上げることができる。つまり「Soundgenic」のUSB出力機能は使わず、中の楽曲はネットワーク経由でこいつを経由してUSBへ吐き出そうというわけだ。
電源入れてLANケーブルを繋ぐ。手のひらサイズだが密度が高くズッシリしており、金属の塊=ノイズに対する気遣いを感じさせる。電源はアダプタ入力。
JRiverを起動すると……認識した。
USBに接続したSX11も認識している。後はiFiをクリックして音を出すだけ。あ、出た。
●音出し
このキカイ買った人の試聴記を見ると「刮目した」「大幅な音質向上」みたいに褒めちぎっているパターンが多いが、44系から128DSDまで一通り聞いた感じ、NAS-SX11直結モードに比べて大幅な……という印象はない。ただ音像定位・フォーカスがより小さく鮮明になっており、高周波方向が伸びているのかな(スポイルされていた俊敏な変化が維持されているのかな)という感じはする。逆に言うと副作用はない。
件の「音切れ」は2日間ほど様々なサンプリング周波数ごちゃまぜのプレイリストを再生したが、パソコンASIO駆動と同等のレスポンス・安定性を確保しており、音切れは皆無でストレスフリーだ。惜しむらくはDSDがどーしてもDoPしか使えないので256DSDは音が出ないことだが、クラシックだけだし、DSDだけを集めたプレイリストに収めているので、その時はNAS直につなぎ替えれば良いので大きな問題はない。シームレスが一番いいけど。
なおこれで何となくRoon対応になってしまったが、特に何もしないw
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