林ももこワンマンライブ新栄Sunset BLUE @hayashimomoko
2019年「栄ミナミ音楽祭」以来の生歌を聴きに行く。元々9月に組まれていたが、台風にカチ当たって文化の日に延期になった。
中毒性のある癒やし系ハスキーボイスの持ち主で……よく使う紹介文だが、今回聞いて、いい意味での「やさぐれ感」を伴い吹っ切れた歌いっぷりであった。あまりアーティストを誰かと比較して書くのは良いことではないが、「やさぐれ」という言葉にネガティブなイメージがあるので補足して書いておくと、「中島みゆきのような」と言えばイメージ伝わるか。
オーディオヲタク的な書き方をすると、声のダイナミックレンジが広くなった。すなわち、声量において強弱の幅が広がり、緩急・メリハリが強くなり、応じて好き放題楽曲をコントロールできている印象だ。ももさん例えばあすなるライブオーディションが典型だが、少し生真面目で張り詰めた感じの歌い方をする印象があったが、そこに少し触れ幅を持たせ、リリックに今の気分を載せて送り出すことに成功している。そのリリックは心象風景を活写した応援歌の重心が高く、恐らくは書いたその時や、思い出の写し込みが多いのであるが、それらをうまいこと「今の自分目線」でリブートできている。ここに、上記した「やさぐれ感」が効いてくるのだ。疲れた人にはやさぐれ感備えてこそ寄り添えるし、もってして応援となって背中を押して明日に目線が向けられるのだ。
「ターミナルで歌いたい」とはMCからの切り取りだが、ターミナルには旅立ちのきらめきと共に、疲れたやさぐれも戻ってくるのだ。今のももさんであれば、好き放題歌うだけで刺さるだろう。
家庭の事情でちょいと新幹線に乗って聴きに行く……ってできる状態じゃなくてスマンが、まぁまた機会があれば。
積み上げてきた歌たちを、その上にこれからの歌たちを、どうぞこれからも。
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