82番
テメエの部署が監査を受ける番。
「はんだ作業は鉛フリーと共晶(要は昔ながらの鉛アリーのはんだ)で使い分けてますか?」
「2セット用意して都度チェンジです」
「共晶の頻度は?」
「毎月数回、ですね」
「取り扱いはマニュアル化されてますか?」
「技術者個々の知識と技能です」
「ふーん」
で、終わってから「あれは間違える可能性があるから、共晶は専用のスペースを確保して下さい」
おいおい。そこら辺も含めて工場で技能認定するんやろがい。技術者に失礼だろうが。
で、困ったのがカチョーである。
「間違える可能性がある……じゃぁ予算取れないよなあ。何のための技能認定だって言われるだけだし」
「健康問題にしたらどーでしょか」
原子番号82・鉛。
生物には「毒」である。
「体表や消化器官に対する曝露(接触・定着)により腹痛・嘔吐・伸筋麻痺・感覚異常症など様々な中毒症状を起こすほか、血液に作用すると溶血性貧血・ヘム合成系障害・免疫系の抑制・腎臓への影響なども引き起こす。」
(Wiki)
触らないに越したことはないし、微細になって飛び散ったりするので吸わないに越したことはない。なお、人体に入ると骨に取り込まれて、半減するまで5年とか10年とか。逆に言うと食物などから入ってしまうこともあるので、ある程度までなら排泄される能力を人体は有する、といえる。過剰がヤバい。
「はんだ作業の煙をわずかでも吸わないようにするには逆に専用ブース化しかないので、現状は排気が不完全と言うことで稟議に出せば……」
「そっちで行くか」
やだねぇ。これは「技術」じゃなくて「政治」だわ。
★土日鉄道では茶飯を食うようにはんだづけを行い、金属ハサミで鉛板をチョキチョキ切って車両の加重とか使ってますが、まぁ、マネせんでください。これからはんだ付けの設備を持つ方は鉛フリーで。鉛板を加工する場合はビニール袋を介するなど「素手」は避けて。
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