赤い月と青い星の夜2022
大砲が出陣する。
単なる皆既月食なら、「赤い月のある風景」の方がミステリアスなので、視野の広い双眼鏡の方をよく使うのであるが。
(天文年鑑より)
今月今夜はチト違う。皆既月食中の赤い月に天王星が隠される「天王星食」が起こる。ならば、「食われる瞬間」を動画で撮ってやろう。それには望遠鏡が必要だ、という次第。
望遠鏡にスマホアダプタを接合してテストショット。
皆既になったのでシステムを見た道行く人片っ端から捕まえて見せる。
「でかいねー」
まぁホムセンで売ってる自由研究用とは違いますからねぇ。
さてこの子は接眼20mmを取り付けると、丁度視界いっぱいに月が収まる。
「でかいねー!」
まぁ視界いっぱいに月というのは日常あり得ない。鏡筒(きょうとう・大砲本体)は20センチ、ニュートン式。「20センチ鏡筒」というと「星の瞳のシルエット」という向きもあろうが、彼が買ったのはシュミットカセグレンで、図体がここまで長くない(ただし真上に見える天体の観測には難儀する)。
「あ、これクレーターか、へぇ!」
写真を撮りの、シェアしの。
子供達が集団で通ったので見せる。
「いいのいいの?」
「今日月食でしょ?」
「皆既月食だよ」
「ナントカ星が消えるんじゃなかった?」
全部正解だよ。
「大きい!どこから見るんですか?」
「おっき~」
「すご~い」
「あか~い」
「「「ありがとうございました~」」」
明日自慢しな。で、何が起こったのか詳しく調べてごらんな。
で、天王星が隠れる時刻でござる。
撮ったど #天王星食 pic.twitter.com/O2mBqVElRa
— すのぴ@キュアカイシャイン (@sunop2000) November 8, 2022
撮った。なお、前回日本で見られた「月食中に惑星が隠される」現象は1580年7月26日。信長の時代。
天体をサクッと動画で撮れるとか21世紀に生きてるなと感じる。感慨深い。ちなみに見ての通り望遠鏡経由でこういうちまっとした見え方であるから、双眼鏡や肉眼ではムリ。なに?テレビの動画と向きが違う?天体望遠鏡は逆さまに見えるからだよ。
再び天王星が見えるタイミングでは月が元に戻っているので観測はムリ。これで撤収。皆既の時間90分もあったのになんだかんだ殆ど望遠鏡を覗いて過ごしてしまった。が、道行く人20人くらいに見せたった。ミッションコンプリート。
次の皆既食は2025年3月14日。見るとしよう。そして次回の日本から見える「月食中に惑星が隠される」現象は2344年7月26日で、土星が隠される。
見るとしよう←
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