流電・見参 #鉄道模型
できの良い模型が欲しいわ……と書いて幾星霜。
クモハ52(←モハ52)。飯田線仕様。登場は1936年。現下湖東地区から姫路まで爆走するJR西日本のアイコン「新快速」の遙かなるルーツ「急行電車」である。現行の新快速電車が身にまとっているストライプの配色が、この博物館復古車をトリビュートしたものであることは書くまでもないだろう。造作はもちろん「高速運転」を指向したもので、同様に流線型デザインをまとうドイツの高速ディーゼル列車「フリゲーターハンブルガー」(Fliegender Hamburger)を参考にしたとされる。依拠はさておき「電車=茶色い箱」が常識だったところへ颯爽登場したツートンカラーの流線型が与えたインパクトは大きく、国内に流線型ブームを巻き起こしたとされる……ホントか?wiki。ただ、時代は軍靴の音高まる頃で、太平洋戦争開戦後の1942年、「戦時ダイヤ」への移行に伴い、京都-大阪-神戸「急行電車」はしばしの眠りにつくことになる。この「短期間のみ高速で疾走したハイセンスな存在」のゆえに伝説的な色合いを持って語り継がれている。
戦争を挟んだ流浪の生涯を書くとキリが無いが、飯田線へ入ったのは1957年。同線を走る快速電車に起用された。以後、1978年まで、本来目的の「高速・急行用」より遙かに長い期間、山間の地元電車として余生を過ごした。
古い電車だが「野暮ったさ」はなく、令和の今でもエモいと思うわ。土日鉄道では満を持しての「新車」である。車輪をスポークに変えて少しおめかししてあげようかね。
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