長考案件・ジェンダー問題その3
●あるべき姿
殊に家事育児において、娘を成人式に送り出して思うのは、「腹を痛める」ことと「リアルおっぱい」以外は男でも全く問題はない。むしろ夫婦で同等の生活力を確保し、並行して時に一緒に役務を遂行すれば何事も早く片付く。その結果育児に割けるリソースと余裕が増える。ただ、激変緩和策はどうしても必要だ。いわゆる主婦業は結婚して即時そのプロフェッショナルになったわけではない。多くは家事をこなす母の姿を見て、母の仕事と認識し、そのように教えられたり、あるいは自発的に、子供の頃から習って覚えてきた成果の発揮であったり、「花嫁修業」で習得したもののはずだ。だのに男に対して「時代が変わったから即戦力を発揮せよ」と言い出すのは暴論であろう。「見てたから判るでしょ!」……見てて判ったのかあんたは。これは学校においては……それこそジェンダーの起点である「技術家庭で男女に教える内容に差がある」から是正されるべきであろう。自分の身の回りのことくらいは義務教育の範疇で性差なく確保されるべきだ。最短で中学卒業で社会に出る。自活できて当然ではないのか。
これから結婚、であれば、夫婦で教え合って覚えて行く手が使えるだろう。簡単そうに見えたことが高度なテクニックを必要としていたり、毎度出来映えの違うものが理屈を知れば安定するかも知れない。大変と判れば自発的に手伝いたくなるし、感謝と敬意も自ずから生まれるだろう。ただ、特に昭和生まれのおっさんは生活力スキルゼロの場合もあり得る「何コレ!もうやめてやり直すから」……こういう場合は手遅れで、ジェンダー分業を維持した方が逆に効率が良いかも知れない。ただし男の領分とされるものは夫が完璧にこなす責務を有する。
さて家庭はこれで良いとして、業務スキルを見てみよう。え?ジェンダーフリーの話ってそういうことだろ?力仕事を筆頭に「男の仕事・男の領分」とされる分野は非常に多くある。公共交通機関の乗務員は昨今女性がかなり増えてきたが、トラックドライバーはまだ珍しい。これは以前別件で扱ったが、トラックへの荷揚げ荷下ろしもドライバーの役目にされている場合が多いからだ。それは体力と腕力が要求され、どうしようもない。ざっくり3Kに分類される仕事は使命感を持って役務に奉ずる男が多い。
エンジニアは基本的にアタマが物言う世界で、そもそもジェンダーフリーなはずだが、はてさて設計開発の男女比率は何かの意思が働いてそうなっているのだろうか。「育児休暇でキャリアが止まる」問題も特に昨今在宅勤務OKで様々なコンピュータシミュレーションが可能な時代にあっては起きにくいはずである。最悪でも休暇中に資格や免許を取得して復帰後に備えることなどできるはずだ。
文字通り協働が必要なのは介護である。優しさと気遣いと腕力をその都度使い分ける必要がある。最もこれはチームで持っておくべきスキルと分担だと思うが。
ここまで読んできて眉をひそめる向きが出てきたようだな。そう、広げ散らかされているジェンダー論っていつも一方通行なんだよ。
↑いかにもその筋が食いつきそうなこれだが「参加をきっかけに女性が働く環境になっているか考える契機になった」とか「女性社員向けの制服を初めて制定した」という事業者もある、と書いたらどう思うね?
(つづく)
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