長考案件・ジェンダー問題その2
●勘違いの固定化
「性差による役割の押しつけ」を促進したのは、狩猟採集を離れた人類がそれ以降現在に至るまで約1万年繰り広げている「戦乱」であることは、論を俟たないであろう。力が物を言うので矢面は全て男で、男がいないところ(いわゆる銃後の守り)は女が担った。こうなる。武勲は栄誉であり、領土と財産と奴隷を勝ち取り、銃後は同列に語られない。性別が生んだ役務に優劣の価値が出来上がる。
奴隷というと、ジェンダー問題目の敵である「性の売買」であるが、発掘されたポンペイではその手のお店がシステムとして存在していたことが判っている。宿屋が囲った専門の奴隷(男娼もあった)が担ったそうな。なお目にした論文によると「妻には優秀な子を産んで欲しいので、はけ口はこちらを用いた。妻には敬意を持っているので性の対象ではない」そうである。劣情を催すとかよく言うが、男性原理とその処理に対する価値観が判るし、男性原理が商売のエンジンになっていることが判る。主と従の関係が出来上がっていった経緯がうかがえる。なお日本では10世紀頃からシステムが存在し始め、人身売買に組み込まれて賤職扱いという経緯をたどる。日銭を稼ぐ最終手段というわけだ。
一旦、置く。
(つづく)
« 長考案件・ジェンダー問題その1 | トップページ | 長考案件・ジェンダー問題その3 »
コメント