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2023年4月 7日 (金)

VVVFインバータという奴(その5)

・素子の変遷

インバータの出現には高速なスイッチが必要で、半導体技術の進歩でようやく可能になったと書いたが、その半導体の種類による「可能なことと不可能なこと」と「不可能を克服するための工夫」の存在が、インバータの理解や変遷をやや難しくしている。この辺単純でビーっと一本調子のチョッパと異なる。一方でその工夫が運転に伴い電動機から発せられる独特の音(電磁音、磁歪(じわい)音、キャリア音)の変化に繋がっており、音鉄たちに新たな地平を提供したことは書くまでもないだろう。素子の変遷と時々の工夫、技術者達の努力を知っておくのは悪くないかと。

サイリスタ

SCR(Silicon Controlled Rectifier)として開発された素子で、トランジスタに似た動作、ということで登録された商標が標準名称になったものだ。

20230407-190230  

構造はこうなっている。2つのトランジスタを直列に重ねたのと同じ構成。アノードの電圧がカソードより高いとき、ゲートからカソードへ電流を少し流すと、NPNで構成されたトランジスタがオンになる。すると、このトランジスタは、上のPNPで構成されたトランジスタをオンにする。すると、PNPのトランジスタを通ってきた電流はゲートからカソードへ流れて行く……すなわち、自分の動作で自分をオンの状態で保持する。エンジンが自分の動力で燃料ポンプを動かすのと同じである。つまりゲートからカソードへパルス電流を1発流すだけでオンのままになる。こうなる。なお、オフになる条件はカソードの電圧をアノードより高くする。

これは元々交流回路に使う。

20230407-202437

上のような正弦波交流に対し、サイリスタのゲートへ図のような角度(位相と呼ぶ。位相が90度とか言う)で電流を流すと、サイリスタはオンして(円弧の特定のポイントで点火するので点弧という)正弦波が流れ出す。そのうち交流だからプラスとマイナスがひっくり返るので、そのポイント(位相180度や360度。ゼロクロスと呼ぶ)でカソードの電圧がアノードより高くなり、サイリスタはオフ。すると次のゲートパルスでまた点弧して……となる。こうすると交流から必要な電力を点弧位相を制御するだけで取り出せることが分かるだろう。この交流にサイリスタを使った電力制御を「サイリスタ位相制御」という。思い当たる用語でござろう。そう、ED75や811系はこれで走っているわけだ。
(点弧動作のことを英語ではFirelingと呼ぶ。着火そのもの。紹介した方法はゲートからカソードへ抜くのでカソードファイアとかいう。点弧用のちょろっと流す電流をトリガーTrigger引き金電流と呼ぶ。文字通り引き金だわ)

さて、交流だとプラスマイナスの逆転で「勝手にオフになる」のだが、直流はプラスマイナス固定であるから、「無理矢理オフ」する工夫が必要になる。流れを反転させるので「転流回路」と呼ぶ。ピク誌図6。わかる?不親切だわこれ。

①メインのサイリスタがオン。同時に右向いてるダイオード→コイル→コンデンサのルートでも電流が流れ、コンデンサが充電される。ここはコイル-コンデンサ直列の共振回路になっているので、充電が終わると逆流を開始しようとするが、その右向いてるダイオードに阻止され、この逆流は成立せず、コンデンサには書いてあるプラス、マイナスの極性で充電されたまま、いったん動作は止まる。なお、ダイオードは「アノードの電圧がカソードより高い」時だけその方向に電流を流す。その「電流を流し始めるタイミング」を自由に変えられるのがサイリスタというわけ。

②メインのサイリスタをオフする(消弧)するとき、補助サイリスタをオンにしてやる。すると右向きダイオードに阻止されていたコンデンサからの逆流が、この補助サイリスタを通して流れ、ぐるっと回って同じコンデンサに逆向きに充電される。つまり、メイン・補助双方のサイリスタのカソード側の方が、アノード側より電圧が高くなった。

③共振回路なので、再度逆流を始める。メイン・補助のサイリスタを消弧させつつ、メインのサイリスタに並列のダイオード、右向きのダイオードを通り、①の充電状態へ戻って行く。

ようやくサイリスタがオフになった(転流回路の方式はいっぱいある。これは一例)。で、以上の動作から分かるように、点弧は一発だが、消弧動作はすごくもっさりになる。メインのサイリスタがデカいと、応じて転流回路もデカい。また制御面でも、オンするとき、オフするとき、双方でサイリスタオン信号を出してやる必要がある。「デカくて遅くて面倒くさい」わけです。で、制御しやすい、より小さいサイリスタの開発が始まる……のだが、長くなりすぎるので今回はここまで。ただし、次の説明をしておきたい。ピク誌これの説明がないので。

・環流ダイオード

強力電磁石の実験で「バチンとなって感電」と書いた。電車のモータなんてバカでかいコイルにバカでかい電流を流しているのだから、いくらサイリスタもっさりとは言え、微分項di/dtのdiがバカでかいので恐るべき電圧が発生する……危惧がある。これを防止するには「スイッチを切っても、モータのコイルには同じ向きに電流が流れるように処理すれば良い」となる。

ピク誌図2をご覧頂きたい。図ではスイッチSU1がオンで、直流電源プラスからU相コイル-V相コイルに流れてSV2を通って直流電源マイナスに戻っている。いま、SU1をオフにしたとする。モータコイルには引き続き同じ向きの電流を流したい。どうするか、SU1の下側のアーム、SU…あら?SU2の誤記だろこれ……をオンにする。すると、上記マイナスに戻ってきた電流が再度U相コイルへ流れて行く。

ではわざわざSU2をオンにする制御回路を用意するのか。答えは「要らない」。その代わりダイオードを逆向きに(直流電源のマイナス側にアノード、プラス側にカソードが来るように)、SU2に最初から並列に付けておく。こうするとSU1のオフで行き場を失った電流が勝手にダイオードをオンにして流れ続けてくれる。この動作を環流といい、これ専用のダイオードを環流ダイオード、英語でFreeWheelingDiode略してFWDと呼ぶ。全てのスイッチが同じ。すなわち、インバータ用のスイッチセット「アーム」は、常に主スイッチ素子とこのFWDがワンセットであることを意味する。これで図6の転流回路をもう一度ご覧頂きたい。主素子と逆向きのダイオードが並列に付いており、消弧電流がここを流れている。つまりこいつFWD兼、転流用ダイオードというわけ。なおもちろん、チョッパ回路でも環流ダイオードは付いている。

つづく

※FWDなのでフライホイールflywheelダイオードと誤認する方が時々おられる。状態維持という役割が似ているので更に勘違いしやすい。しかしフライホイールはあくまで回転体の運動エネルギを維持する円盤円筒の事なのでゴッチャにしないように。テストだとバツです。

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