材料の特性と大きさに依存するもの
コイル。もとい、
コイル。小学校の「電磁石の実験」で鉄釘の周りにエナメル線を「1000回」とか巻けと言われて面食らった人もあるのではないか。これは
代表的な式がこれだが、Nが巻き数、μが「透磁率」といって、磁石の鉄芯材料個々が持っている特性値。なので、強いコイルを作ろうとすると、μの大きな材料を選び、後は大きく沢山巻くしかコントロールする術はない。
とある照明用の基板だが矢印付けたのがコイルやその親戚であるトランス。要するに部品小型化の流れの中で「素材の特性とその使用量」に依存するコイル系は小型化が原理的に不可能で取り残されてきたわけ。
板チョコみたいなマイクロコンピュータと鼻くそみたいな抵抗やセラミックコンデンサ。デカいまんまのコイルと電解コンデンサ。それが昨今電子回路の実情で、小型化のボトルネック。
で。
一万分の一だと?
「トポロジカル絶縁体」という不思議な物性がある。表面だけ電流が流れて、中には電流が流れない。こいつに交流電流を流すと、交流電流が磁気の振動を引き起こし、逆に磁気の振動は交流電圧を駆動するという特性を持ちます。……だそうな。この辺の理屈は。
量子力学が出てくるので略w
一方「磁性絶縁体」磁石には大いに反応するくせに電流は流さない物質。著名なところでエレキバンでおなじみフェライト。
で、両者をサンドイッチすると、その量子力学的な電磁現象をエレキバンが増幅して「小さくても強力なコイル」として動作するそう。
しかもどうやらクッソ小さく(10nm。昨日記事のウルトラファインバブルもびっくり)作ることでこの効果は強く出てくる。
・電流が面を流れる→全ての電流がエレキバンと必ず接触する→電流の発揮する磁性現象を全てエレキバンに与えることが出来る
ああなるほど、という感じ。なおこのサイズは昭和であれば「小さすぎてムリだよね~」であったが、最新の半導体は回路パターンをヒトケタnmで作るので逆に問題ない。画期どころか大革命なのだが、その省略した現象はロバートB.ラフリン教授が理論的に提唱した「ラフリン電荷ポンプ」(ラブリンクではない)と呼ばれる現象がネタ元で、1998年ノーベル物理学賞受賞とのこと。四半世紀を経て世の中に貢献できる可能性が出てきた。
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