マン・マシン・インタフェース
man machine interface。人間が機械を操作し、機械の状態を人間が把握する装置・機構のこと。
義父が寝落ち聴きしているポータブルラジオを買い換えた話は前に書いた。だが今般手術の退院後はもっぱら古い方のラジオを愛用されている。
買い換えの主たる動機は
「スイッチがいかなんだわ」(名古屋弁トランスレータ:スイッチが最後まで動かせない)。
であった。ボリュームダイヤルを絞りきり、さらにノッチを一つ越えて「カチッ」とやるとスイッチが切れる。だがその「カチッ」まで回しきれない。
それがなぜ。
新しいラジオはオフ-AM-FMのスライドスイッチになっている。このスライドストロークが小さすぎ、真ん中のAMに合わせるのが難しいのである。
良く書くのだが、往年のコントローラはそもそも実現するための回路規模が大きく、スイッチ・ボタンも大きかった。エアコンタイマーなど、コントーラの端から端まで動作時間の数字があって、その上をツマミが動いてセットする形式であった。
これは実は「ツマミを動かすことでタイマ起動を意味し・ツマミの位置が時間を表し・直感的に分かりやすく・大きくて見やすい」状況を提供していた。
液晶の数字をデカくすりゃいいだろうという思想が透けて見える。しかし実はこれ、白内障の目にはコントラストが薄すぎて見づらいのだよ。
冷房暖房のボタンも然り。「漢字を読む」必要があるうえ、正しくボタンを押したかどうかは液晶表示の中の小さな冷房を見ないとならない。数字だけデカくしても効果は薄いのである。比して昭和リモコンはこうだ。
暖房
冷房 ◀
除湿
送風
切
操作方法と捜査の結果が見て(≒文字を読まなくても)判る。「高齢者はエアコンを付けてやっても使わない」……見てワカランからだよ。小さな文字がびっしり並んだ取説なんか読めるか。
なお一緒にソニーご自慢の有機ELテレビのリモコンを並べたが、85のじーさんに「新しいテレビ買ったよ、これリモコン」と渡してサッと使えるシロモノでは最早無いことは明白であろう。スマホ?あれは「所要のアプリとそのアイコンの位置」で判るから逆にいいのよ。
ご存じ悪名高きトヨタのHVシフトノブ。スライドスイッチのくせに位置による現在機能表示を捨て去った最悪のMMIF。
ただ、「所要のレンジに入れる」動作に関しては、応じた溝とストロークがあるからまだいい。
令和最新型のシフトはこうなっている。数センチしか動かない。止まっている状態で操作する分には良いが、エンブレ/抑速回生ブレーキ(!)の「B」レンジを使用後、通常走行の「D」レンジに戻すには、走行中にその数センチを┓形に動かさなくてはならない。路面の振動を踏んで手が変に動き、「R」に動かない可能性がないと言えるだろうか。
「使い方とその結果が見て判ること」
あらゆる機械の設計者は今一度おのれの機械を確認していただきたい。確実は安全の第一歩でもある。
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