それぞれの9月26日
伊勢湾、狩野川、洞爺丸。
いずれも甚大な被害を出した昭和の台風で、揃って「9月26日」に上陸している。
同様に枕崎台風や第2室戸台風などが9月17日に上陸している。これらをして台風の特異日とか言う。
他に特異日として有名なのは10月10日や11月3日、元日などの「晴れの特異日」であろうか。
「秋」という季節は高気圧と気圧の谷が交互にやってくる。イトマキヒトデが北極の上に貼り付いている姿を思い浮かべていただきたい。彼の「脚」が北から南へ向かう寒気の流れで、脚と脚の間は南から北へ向かう暖気の流れである(ロスビー循環)。このヒトデは自転の影響を受けて回っており、寒気が降りてくる期間と暖気が上がって行く期間が交互に訪れる。これは夏の終わりから動き出し、一方、太陽が赤道の方へ動いて行くので、そっちでは台風が発達する。ヒトデが動き出すタイミングは大体決まっているから、台風が暖気の一環として上がってくるタイミングも大体似通ってくる。こうなる。
ただ。
「温暖化」がこのヒトデの活動開始をどんどん遅らせていることは容易に想像が付くであろう。それは「より強力」な台風を「より遅く」もたらす可能性を示唆する。
11月に900hPa・85m/sでフィリピンを襲った台風「海燕」。
晴れの日を含めて「特異日」が徐々にその特異性を失っている。平年とか、パターンとか、経験が当てはまらない状況を迎えつつある。
令和の今に犠牲5000とかあり得ない……似たような油断がもたらした被害こそが伊勢湾台風である。令和だからこそ見過ごしていることはないだろうか。
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