新宿発・最終列車
懐かしい列車名がトレンドに上がっていると思ったら。
夏の臨時列車の名前は「アルプス」でしかも夜行と来たもんだ。夜行列車はコスパが悪い(乗る側には新幹線で現地入り+ビジホの方が早い。夜行バスの方が安い)ので、「サンライズ」系統しか残っていないという有様だが、座席車しかも「特急」(応じた料金が必要)で勝算はあるのか。2024年問題で夜行バス減ったと読んだか。ちなみに「ムーンライト信州の再来」だろうという声があるが、新宿発の優等列車は「アルプス」が先に設定され、後に特急「あずさ」に吸収されていった、という流れなのでアルプスの復活でしかも特急化……格上げというのが時系列と言えば時系列になる。それはさておき。
「新宿発の夜行列車」は昭和の時代「うじゃうじゃ」設定されていた。朝早くに諏訪や安曇野に達してそこから登山(冬はスキー)、という需要があったためだ。急行アルプスだけで3本4本存在した時代もあったほどだ。上記のように特急化と、中央高速道路の整備による高速バスの台頭に敗北したことで消滅するのだが、一本だけ「新宿発・夜行」は残った。てっぺん回って0:01に発車する普通列車の上諏訪行きだ。八王子より先の最終列車にもなっているので、ハイシーズンの週末などはハイカーに18キッパー、終電まで働いていたリーマンと酔っ払い(何ならゲロ吐く)でかなりカオスだったと聞いている。伝聞形なのはこれに乗った経験があるのは当時新宿で働いていた父親だけだからだ。基本京王ユーザーだったが、場合によりギリこれで帰ってくるのだ。八王子着は午前1時少し前なので当然バスは終わっている。
(↑こいつは元々中央線にいて、そーゆー運用に就いていた)
「迎えに来てくれ」
へーい、と免許取り立てでクルマ転がして迎えに行ったもんだ。もちろん、往々にして寝過ごしがあって。
「……上野原だったよ」
「高速道路で行くから30分待ってろ」
携帯電話もない時代、電話が掛かってこないとこちらからはどうしようもなくて。
午前2時。黒電話の最初の「り~ん」が鳴りだしてすぐ取る。
「……あれ?」
「もう出たよ。もしもし、ひょっとして大月か」
「おお、すまん」
「1時間待ってろ」
深夜を過ぎて夜明けが近いような時間帯。誰もいない中央高速を親子でアスファルト切りつけながら。
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