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2024年5月 2日 (木)

老人ホーム、を選ぶ

M13

義父は「レビー小体型」認知症であるが、これは「人間同士のコミュニケーション」は維持される。ただ、空間認知や新しい記憶は困難となり、何より運動能力が次第に落ちて行く。現住所に越してすぐはドルフィンズアリーナ(宣伝してやったぞドルフィンズ)に相撲を見に行ったり、バンテリンドーム(宣伝してやったぞ興和製薬)ドラゴンズの試合を見に行ったりしたが、5年を経過し「立ち上がって歩き出す」ことも難儀になってきた。「迷惑掛けたくないからホームへ入れろ」義父は言うのだが心なしか寂しげに見える。

さておき、家族で対応して行くのが間もなく困難になるのは確かである。ケアマネさんと相談し、近隣のホームを幾つかピックアップ、見学の方向である。

「男性が少ないんですよ」

男性は不向きな施設だから?違うよ。

Changes_average_life_expectancy

女性の方が多くなるのは必然なんだよ。

人間は出生の段階において「命の確率」という尊厳と相容れない自然の摂理と遭遇するが、終末もまた然りである。ちなみに祖母(大正8年生まれ)が脳出血から歩行不能になり、その手の施設に入ったのだが、会いに行ったら施設の人に「突然なくなる方がいますが驚かないでくださいね」と言われたことを強く記憶している。入り口すぐに霊安室もあった。行き来する入所者から見えるところに。

否が応でも「死」を意識させる。

賛否はあるのだろう。ただ入り口にあることは、生活空間にその存在や悲しむ家族が入っていかないという意図もあるように思われる。今度の施設は病院へ搬送とあるので「それ」は無いようである。

カタログを見るに概ねビジホ以上の個室であご・あし(通院付き添い)・ふろ付きと言った案配だが、まぁ私物・趣味のものは持ち込めないだろうね。

そういう場合心配なのは「フル接待だがすることがない」が発生することだ。現在義父は在宅時日がなラジオを聞いているが、デイサービスでは寝ているそうである。ってことはずっとデイサービスのパターン?

刺激が無い=脳の活動余地がないってことは、人体に備わる飢餓対策「使わないならオフするよ」が働くことを意味する。その事態が認知症に拍車を掛けることは論を俟たないであろう。要するに高齢者介護施設にお願いするのは「仕方がないがちょっと心配」なのである。

「どこでもええ。金はあるから」

心証は物理に勝てない。

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