トランジスタとの付き合い
6月30日は「トランジスタの日」だそうな。
(スミソニアンのサイトから)
これは最初に増幅現象が発見された「点接触トランジスタ」である。改良版で量産可能な「接合型トランジスタ」をベル研究所が世に公開したのが1948年6月30日で、これに由来する。
特定の電子部品が家にゴロゴロしているというのは余りないと思うがw。こりは娘がはんだ付けの実習で作ってきたLED点滅回路である。黒い三本足こそ保守本流とでも言うべき「バイポーラトランジスタ」2SC1815(東芝)である。
写真左からエミッタ・コレクタ・ベースとなり、ベースからエミッタへ電流を流すと「スイッチオン」になり、コレクタからエミッタへドーンと電流を流すことが出来る。このように「スイッチ」であり、小さな電流で大きな電流を得られる「増幅器」であり、使い方次第で様々な応用が出来る。億から集積したのが皆さんが今これを見ている機器に搭載されている「マイクロコンピュータ」である。
さて自分はこいつと「増幅器」として長く付き合ってきている。遡れば鉄道模型の速度制御に「高級機はトランジスタ制御」と書いてあったのを目にしたのが始まりで、搭載製品を1987年だかに手にしている。
生のトランジスタを扱うことになったのは大学で卒業研究を始めることになってから。高速動作するトランジスタが必要と言うことで「MOS-FET」そしてMOS-FETとバイポーラのハイブリッド素子「IGBT」を自分で動かすこととなる。
アルミの放熱板にネジ止めされた三本足が3つ見えるが、これが「パワーMOS-FET」で、照明回路の電圧安定とインバータ動作に使われている。そして。
その大学の研究室から卒業後に引き取った(ということにしておいて)「IGBT」である。多数のアルミワイヤの下に白っぽい板が見えていると思うが、この板こそが実際に電流の流れるトランジスタ本体、シリコン半導体そのものである。この薄っぺらい板で600V150A(が、2つ並列に入っているので300A)流せる。手のひらサイズのこいつ3つでインバータを構成すれば、例えば港で活躍するコンテナ積み下ろし用のクレーンが動く。トランジスタの「増幅器」としての偉大さがお分かり頂けるであろうか?
さて研究室でMOS-FETをいじくり回したオイラはすっかりその特性に惚れ込んでしまった。詳細は省くが動作が俊敏で直線性に優れているのだ。それはオーディオ趣味である方向性を自分に与えることになる。
ソニーTA-F555ESJ(左下の金色のキカイ)。プリメインアンプ、お値段当時15万円。スピーカー駆動回路は全部MOS-FETで構成。
(ご尊顔。中古販売サイトから)
そのキレッキレの音は「知ってしまったら元へ戻れない」。最早「MOS-FET以外眼中(耳中?)なし」の状態となってしまったw
結果、メインで使ってるオーディオアンプはこうだし。
リビングのアンプも大電流MOS-FET。
そして鉄道模型のコントローラもMOS-FETである。そのほか、IH式の炊飯器や調理器はIGBTのインバータを積んでいる。
大好き、MOS-FET←変
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