南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)
制定後初めて、この情報が発表された。どうしようかね。まぁ時系列に書いてみましょうか。
●まず、日向灘の地震について
マグニチュード7.1(速報値)
発生場所日向灘(宮崎の東南東30km付近) 深さ約 30km
震度【最大震度6弱】
700キロ離れた愛知県でも愛西市で震度1とか。
Pが圧縮力、Tが引張力。左右から押されて上下に盛り上がる「逆断層型」。盛り上がるので当然津波が起きやすく、21:30までに最大50センチを観測。人的被害はケガ人で済んだが、建物やインフラへの被害が見受けられると。
で。
●南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)
これがなんぞや、という。2019年に設定されたモノで、
・南海トラフの東側と西側で地震が時間差で起きる場合があることに着目した仕組みで、南海トラフ地震発生の可能性が高まっていることをお知らせし、注意を呼びかける情報です。
・南海トラフ地震臨時情報は、南海トラフ周辺で通常とは異なる現象が観測された場合や、同地域で大きな地震(M6.8以上)が発生した場合に発表されます。
何が「発表」されるかは機械的に決められるようになっていて。
今回は「南海トラフ周辺で通常とは異なる現象が観測された場合や、同地域で大きな地震(M6.8以上)が発生した」ので、「臨時情報」が発表され、まず「調査中」となり、
・南海トラフ地震の想定震源域内のプレート境界においてM7.0以上
・ひずみ計等で有意な変化
が観測されたことから「巨大地震注意情報」の発表となった。中身であるが。
・南海トラフ地震の想定震源域では、新たな⼤規模地震の発⽣可能性が平常時と⽐べて相対的に⾼まっていると考えられます
・今後、もし⼤規模地震が発⽣すると、強い揺れや⾼い津波を⽣じると考えられます
※新たな⼤規模地震が発⽣する可能性は平常時と⽐べると⾼まっていますが、特定の期間中に⼤規模地震が必ず発⽣するということをお知らせするものではありません
・政府や⾃治体などからの呼びかけ等に応じた防災対応をとってください
というもので「自治体からの呼びかけ」は例えば名古屋市の場合はこう。
・南海トラフ地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると考えられます。地震が確実に発生するということではありませんが、市民の皆さんは、落ち着いて、今後1週間、次の地震発生に備えてください。
・家具の固定や食料・飲料水の備蓄といった、日頃からの地震への備えを再確認してください。
・津波・土砂災害などの危険が高い場所になるべく近づかないなど、安全な防災行動をとってください。
・テレビ・ラジオ・スマートフォンなどにより、引き続き正確な情報を確認してください。
・名古屋市内の公共交通機関は、現在運行されています。混乱を起こさないように心がけてください。
なに?「起きるのか起きないのかハッキリしろ!」うん。分かる。
●これが出てきた経緯と根拠
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の時、3月9日にM7.2が発生し、2日後3月11日に本体M9.0が起きた。端的にはこれで効果的な警告を出せなかった後悔に起因する。で、地震データをかき集めた結果、
Mw7.0以上の地震発生後、7日以内にMw8クラス以上(Mw7.8以上)の大規模地震が発生するのは、数百回に1回程度です。
異常な現象が観測される前の状況(1/1000)に比べて数倍高くなっています。
ということで、要するに「確率的に普段より起きやすいよ」となって発表に至ったわけだ。ただ、同じモン「数百回」来て「1回はもっとデカい」であるから、新たな⼤規模地震が発⽣する可能性は平常時と⽐べると⾼まっていますが、特定の期間中に⼤規模地震が必ず発⽣するということをお知らせするものではありません。
という物言いになるわけだ。
●で?
※このほかに1996年12月3日M6.7がある。
こいつ端的には30年間隔で起きている日向灘周辺の地震が先回より30年経ったので来ました、と解釈するのが自然。比して南海トラフは先回1944/46であるから、直結しているか?というと、ねぇ(このリスト中(1)の地震は震源が飛び抜けて深く、一緒にするのは無理がある気がする)。最も、東北地方太平洋沖地震はやはり30年に1度来ていた宮城県沖地震の超巨大版であるから、今回の日向灘が「呼び水」状態にならないとも限らない、警戒するに越したことはない。こんなところだろうか。なお、安政年間の南海トラフの場合は、その前数十年にわたり愛知や三重で直下型と思われる大きな地震が記録されており、いまのところそーいうのは多く起きてる状況にはない。
●どうすりゃいいの?
「ガチめの訓練」でいいんじゃないの?すなわち。
・避難場所、道順の確認
・家具の固定や食料・飲料水の備蓄といった、日頃からの地震への備えを再確認
・津波・土砂災害などの危険が高い場所になるべく近づかないなど、防災・危険回避行動
・「万が一」に備えテレビラジオはつけっぱなし
・携帯機器の充電、就寝時の発生に備え枕元に靴の準備など
「寝ずの番」をするほどじゃないけど「何かあったらすぐ逃げられる」ように、だわ。え?大変だ?備えってそういうもんよ。来るかも知れないと思うと切迫感があるだろ?
良く貼ってる奴。3月11日の我が家(千葉・震度5強)。こーなってもケガしないように、こーなっても乗り越えて避難できるように、転倒落下防止と枕元に靴かスリッパを、ということ。
とりあえず1週間。
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