趣味の後継育成げに難しき
「鉄道模型趣味」という雑誌を「発見」したのは小六の11月である。専門用語の羅列で意味不明なものが多かったが「これを理解できるようになろう」と買って読み始めた。工作が主体なので、工具の種類や使い方、測定器や治具の種類に使い方、位置決めや直角出しなど工作手順のイロハ……現在の勤務先業務で役に立っている部分も少なくない。
鉄道趣味の場合、幼児向けには絵本があって、お子様向けには図鑑がある。「でんちゃ」が「ちんかんちぇん」になって「のぞみ」「特急ひのとり」「○○線××ゆき」「313系」「883系」……と、だんだん専門的になって行く。ちなみにこの次はジャンプアップしてマニア向けの雑誌になってしまい、
「は?コツ車やんけ、なんでこの運用に?」
「トタのダブサロは12編成に増えたわ」
ほぼ、暗号である。ちなみに現在「図鑑」と「マニア」の仲立ちをする「ちょっと本格派の子供向け解説書」という奴が無い。この系列はこの電車区に所属していて主にこんな路線で使われ、ぶら下げている機器類はそれぞれ用途と機能が……電機メーカーコレコレの……みたいな奴だ。ただまぁ「ガチ」な奴はマニア向けの雑誌をそのうち読みこなし、何なら現場実務者向けの専門書に手を出すようになるので、害毒撮り鉄で終わるか、デンキカイロを理解しシステム工学の知識を備えるか、どっちにしろ「テキトー」な病状を有するマニアは再生産され続ける。
チト面倒なのは多分「天文」である。先の(まだいるが)「紫金山・アトラス彗星」を独力で発見・撮影できた人はどれだけあるだろう。
・こいつが見える状態であることを知っている
・いつどこに見えるか知っている
・探し方を知っている
・応じた道具(双眼鏡・望遠鏡・撮影できるキカイ)を持っている
「見えてます」ていう報道を聞いて「へー見えるんだ」「見てみよう」でサッと見つけられるシロモノではない。↑この写真は肉眼での見え方に近いが、双眼鏡を使い「捜天」と言って、目印にした星と星の間をそれこそ小説を一文字ずつ読むようにくまなく探して行ってようやく見つけられた。その目印にした星もピカピカ1番星金星はさておき、1等星アルクトゥールスは明るさ故に「あの星」で案内できるから何とかなるとして、
「ラスアルハゲの……」
「あらハゲとは何事だ!」
どうしろと。
書物に関して言うと、天文の幼児向けはほぼ皆無で、今回のような天体イベントをきっかけに図鑑に手を伸ばす、というのが始まりではあるまいか(おいらの時代は「学研ひみつシリーズ」とかマンガ系の良い入門解説書があったんだけどねぇ)。不思議なモノ面白いモノ、キャッチーな天体・現象は良い学び相手。
HDE226868「ワイとかな」
まぁな。
ただやがて、それこそ↑コイツのようなブラックホールを含めて、「なぜ?」となったときに、「天体の運動と宇宙の構造の理解」という天文学のハードルが出てくる。アトラス捕まえるにせよ星の名前と位置と把握しておかないとならない。星占いでは「惑星がどこの星座に居るか?」がカギだが、それとて結局天体の運動の把握である。ここで。
ぐーるぐる pic.twitter.com/zifBsvVGjA
— すのぴ@キュア会社員 (@sunop2000) November 11, 2024
こういう有様が想像できて面白いと感じられるかどうかで、そこから先(専門知識の確保)へ進むかどうか変わってこよう。逆に言うと動画コンテンツを手のひらで見られるのが昨今である。そのまま脳みそにインプリントできる「動く入門書」を用意するのはアリだろう。なお最たるものはプラネタリウムだが、見られる場所に制限がある。比して任意の動画を再生可能な手のひらデバイスを放っておくのは勿体ない。
地球の外を見ようぜ。
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