アメリカの暴走で地球温暖化が加速するので他の星に移住しましょう
移住先の惑星を探す話が「インターステラー」だけどね。「秒速5センチメートル」とセットで見ると哲学出来るかも。
さて。
●太陽のお隣さん
プロキシマ・ケンタウリ
(Soraeより)
ここは恒星3つがぐるぐるしている三重連星。良く書くが、恒星は集団で生まれることが多く、太陽のようなぼっち星の方がむしろマイナー。で、こいつの「温度的に」良さげな距離に惑星が一個あるようだ。問題は。
このプロキシマ星。表面の爆発現象「フレア」をボッコスコ起こすとのこと。その爆風で大気は吹き飛ばされ、強大な紫外線を発射するので、まぁ、遺伝子による生命体は生きてられないでしょうと。うーむ。
●太陽とよく似たサイズ
くじら座τ(タウ)星
この星の名を聞いてニヤニヤ出来る方は天文筋古参とSFを長いこと読んできた方であろう。太陽とよく似たサイズのぼっち星であることから「惑星があれば生命がいるだろう」という希望的観測の元、「オズマ計画」といって、ここにパラボラを向けて電波出してないかな?という観測実験が行われたほど(1960年)。で、その後の観測で「地球と似たような距離に惑星があるっぽい」ということは分かったものの、こいつまだ星系が出来たときの残骸である「惑星デブリ」が円盤状に分布しており、そこから壊滅的なサイズの隕石がボコスカ落ちまくってる環境らしいので、生命が安定して住めそうな感じではない。
●地球とよく似たサイズ
トラピスト1
みずがめ座の方向にある「木星よりちょっと大きい程度」の小さなぼっち星の周りに惑星系が出来ている。地球と同じようなサイズと温度であるから水があるんじゃ……
(想像図3パターン)
しかし詳しい観測の結果はこんな感じで、要するに「大量の水を保持することは難しい」。なおこいつら、7つの惑星が全て主星に対して太陽-水星間よりも近い距離に密集し、主星の周りを1.5/2.4/4/6/9/12/18.8日(単位は間違いにあらず)で回っている。すなわち「1年」が最大でも19日で、目に見えるほどの速さで隣の惑星が入れ替わり立ち替わり視界をグルグル横切ってけつかる、とこういうことになる。まるで遊星歯車の中に入り込んだような有様で、要するに昼も夜もなく、海洋があれば凄まじい潮汐力で津波が駆け巡っていることであろう。
ちょっとねぇ。
●仮に住める星が見つかったとして
星までの距離は「光年」単位である。光が1年に進む距離は約9兆4600億キロである。一番近いケンタウリでも4.3光年である。一方人類が生み出した物体で最も遠いところにある「ボイジャー」ですら、太陽系を出たか出ないかのところ。「住めそうだ」「ほな行こか」って訳には行かない。光に近い速度まで出せる宇宙船が必要で、対消滅機関、反物質ロケットといったそれこそSFの世界になってしまう。ちなみにソーラーセイルという光を受けて進む「帆」自体はあって
(JAXA「イカロス」=日本製)
バカ出力のレーザ光を当ててやれば理論上それなりに高速度は得られる。ただこの場合、目的の星に減速して降りる手段がない。
今人類が持っているバカ出力といえば核反応である。ではそれで宇宙へ行こみゃぁと「真剣に」考えたことが過去あって、「ダイダロス計画」として検討が行われた。炎のようなものが見えているが、コイツは核融合反応で生成したプラズマである。要するに人工太陽点火してその噴出物をお椀(の中に生成させた強力な磁場)に当てて推進しようとするモノだ。これで光速の10%程度を得ようとした。隣の星まで40年で行ける計算。ただまぁ、人類はまだ「核融合」を制御する術を持っておらず、反物質機関ほどではないが理屈の上の存在に過ぎない。
●地球を大切に
当分、この星しか我々の生きて行ける場所はない。大切にしましょう。以上。
コメント