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2025年1月 2日 (木)

実は夜空はヘビだらけ

 2025年・令和7年は「巳年」すなわち干支はへびでござる。

たまに捕まえてくると家族は逃げ出しオレは追い出されるわけだが←捕まえてくるなよ

実は地を這うこの生き物が天空には5匹以上ござる。

・へび座(を、持ってるへびつかい座)

20250102-172604

(ステラナビゲータより。以下同)

「へびつかい」のおっさんは「アスクレピオス」で医学の神とされています。いわれとなった神話は諸説ありますが、
①アスクレピオスがへびをぬっ殺したところ、別のへびが葉っぱを咥えて持ってきて死んだへびに触れさせ、このへびが復活した
②ペルセウスが切り落としたメデューサの首からしたたり落ちる血に再生作用があり、これを女神アテナから下賜されたアスクレピオスが薬として活用した
あたりに基づくとされています。この結果、彼の持つ杖と、その杖にからむへびは医学の象徴とされ、世界保健機関(WHO)の紋章に使われているのは有名な話です。

Hlogowhite

(↑クリックでWHO)

・ペルセウス座(の、持ってるメデューサの首)

20250102-172947

メデューサはたぐいまれな美少女でした。で、海神ポセイドンの愛人になるのですが(正月からナニ書いてんだオレは)、逢瀬の場所は女神アテナの神殿でした(天馬ペガススは二人の子です)。これにアテナはおこ、メデューサを醜女に変えてしまい、その髪の毛をへびにしてしまいます。彼女に見られた者は(あるいは見てしまった者は恐怖のあまり)石になってしまうのです。ちなみにメデューサの目の部分にはアルゴルという明るさの変わる星が輝いています。鬼女の目に変光星、よく考えたものです。
さてこのメデューサは、最も著名な星座神話譚、英雄ペルセウスによるアンドロメダ姫救出の物語で首だけ出てくることになります。幼くして島流しになったペルセウスは、かーちゃんのダナエに懸想した島の領主に「メデューサの首を取ってこい」と難題をふっかけられ(もちろんメデューサに石にされるだろうという目論見)ますが、上記激おこの女神アテナや伝令神ヘルメスなどの助力を受け、メデューサを金属の盾に映して、その姿を見ることなく首を切り落とすことに成功します(この時アテナに献呈された「血」がアスクレピオスに渡る)。で、アンドロメダ姫に迫る怪物に首を見せて退治する、とまで書いておきましょう。

・うみへび座

20250102-173555

ラテン名がHydraなので、勇者ヘラクレスが課された12の冒険でぬっころした「9つの頭を持つへびの怪物ヒュドラ」と同一視されますが、星座絵が普通の水棲へびの姿であることから判るように、そいつが星座のうみへび座と示唆する伝承は見つかっていないのだとか。混同した可能性はありましょう。一方でアポロンに仕えていたカラスが、水くみの仕事を忘れた言い訳としてみずへびをアポロの元へ連れて行き
「こいつが水を飲んでしまって」
「いや飲んでへんて知らんがな」
「うそこけカラス、お前に永遠に水が飲めないよう状態で星座にしてやる」
てなやりとりがあって「からす座」「コップ座」(このコップにカラスはどうやってもくちばしが届かず、中の水を飲むことが出来ない)「うみへび座」になったとか。うん、こっちの方がしっくり来るがどうでしょう。

・ヘルクレス座(の、ぬっころしたへびの怪物ヒドラ)

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上述ペルセウスの孫、アルクメネが、ゼウスの(いつもの)浮気で宿した子。当然ゼウスの正妻であるヘラは激おこで、赤ん坊のヘルクレスに2匹のへびを差し向けぬっ殺そうとしますが、逆にヘルクレスはこのへびを握り殺してしまいます。さて成長したヘルクレスは武勇に富み、戦功を上げて行きますが、ヘラに狂気を吹き込まれ時々残虐を働き、ついに自分の子を殺す事態に。償いを願い出たヘルクレスが神託を受ると、12の試練を果たせと言い渡されます(課された試練の数には諸説あり)。このうちの一つがレルネの沼に住む9つの頭を持つへびの怪物ヒュドラの退治で、切ると二つ生えてくるので切り口を松明で焼き、1つの頭は不死身だったため、岩の下に埋めてようやく倒すことに成功します。星座絵は片手に同じ試練で凶暴ライオン(→しし座)をぬっ殺した棍棒と、他の手にそのヒュドラを鷲掴みにした姿で描かれます。なお描かれる彼の姿は上下逆さまですが、これはヘラの差し金とも。

・みずへび座

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こいつは航海技術が発達して南半球に行けるようになったヨーロッパ人が、初めて見る南天に設定した星座で、関連する神話はありません。ただ、ラテン名はHydrusで、上記Hydraの男性形表記であることから、当時の天文学者たちの「オスが欲しかった」という言い訳を取るのが一般的。なんだかなぁ。

・星座から垣間見る昔の人のへび観
まぁ足もなくニョロニョロと這い、泳ぎ、何なら飛ぶ奴までいて、丸呑みでエサを食い、くっそでかい種類があって物により猛毒持ち。脱皮して生まれ変わる不気味な魔界の手先、あるいは神の手先。でもだから不思議な力を持っているかも……。あたりですかね。比して日本は「怒らせると怖い神の仲間」とされているのはご承知の通りで、ネズミよけにアオダイショウ(へびなのに大将なんだぜ)住まわせたり、白蛇信仰、そして土石流をへびと呼び川の流れをご神体とし水神として奉る。「怖がりつつも親和的」に見えます。
最たるものが「干支」になっていることですが。

Tsubame_elaphe_climacophora_all8ebc6

これは「アオダイショウ」と呼ばれた70年前の特急列車。ガチなへび画像いっぱい持ってるけど嫌がる方が多そうなので〆はこいつで。

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