義父殿、身罷りたり。
午前6時30分に電話が鳴る。まぁ、もう、内容は分かりきっている。番号は入所施設。
「息をされていません」
医師の診断が必要なので、午前9時との約束で訪れる。聴診器を当て、自発呼吸・心拍なし。手首を取り、脈拍無し。ペンライトで瞳孔散大・対光反射なし。
「ご臨終です」
居眠りをして、そのまま、のような姿で義父は旅立たれた。昨日中に娘が会いに来ており、「目線は合うが見えていないようだった」なので、まぁ、意識はなかったであろう。「痛い」とか「息が苦しい」がなかったのは、良かったのではないか。
さて身内の不幸を詳らかに書いても基本的には何ら読み物としての価値はないのであるが、義父は「レビー小体型認知症」であり、同病のご本人・ご家族には情報として意義があるので少々書いておきたい。この病の「最期の時間」について、「こんなことが起こります・こんな変化をします」と書かれた資料は(医師・看護師向けも当たったが)、結局見つからなかった。千差万別臨機応変で一般論がないから……であろうが、この病は基本的に意識活動は清明で「痛み・苦しみ」が残る可能性があったので、そうならなかったのはせめてもの孝行、と考えたい。
・(いわゆる運動神経が機能低下して行くので)心臓が止まる
・(同じ機序による)誤嚥性肺炎
・臓器の機能低下による衰弱
レビーの「終末の形」はおおむねこのどれかである。義父は腎臓機能が低下していたが、併せて嚥下機能の低下で食事も水分も経口で摂ることができず、会話できた状態から「数日」でこの結果になった。
「老衰」
診断書の記述はこうなった。機能が衰えて心臓が止まったのであるからこうなる。
義父はスポーツを見るのが大好きで、テレビ視聴がしんどくなってからはずっとラジオを聞いてらした。春の彼岸のこの時季は高校野球→大相撲→プロ野球オープン戦とハシゴ。
今日の中スポとプロ野球選手名鑑買ってきたので三途の船着き場でお目通し下さい。
お疲れ様でした。ありがとうございました。
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