まぁ150年経ちましたんで
野球は19世紀に「投げられた球体を棒で打ち返す」遊びが次第に統一ルールで運用される形で確立したゲームである。9人で攻守に分かれて戦う。
♪子どもの頃からエースで4番~
というCMが過去にあった。「エース」というのは投手としての才能を表し、「4番」は打者としての才能を表す。「エースで4番」というのは投打に秀でた「野球脳」今で言うなら「ギフテッド」であったことを示す。プロ野球選手というのは往々にしてそういう才能・経験の集まりである。現下強打者として知られる阪神タイガース佐藤輝明選手は守備で三塁を守っているが、高校時代は投手であった。「エースで4番」である。最たる存在は今まさに大リーグでそれを続ける大谷であろう(打順は「なるべくたくさん打たせたい」という意向から1番だが)。
しかしこうした万能性も、万能が集まって切磋琢磨して行く中で適性が絞られて先鋭化されて行く。特に投手については「投げることに最適化された体躯」へ変化して行くに従い、打撃の方は頭打ち、あるいは諦める(打つより投げる方に専念しろ)ような傾向が見られる。
こりは阪神タイガースの打撃成績から投手を本職とする選手達の数字を拾ったものである。青い部分が「打率」であるが、まぁほぼほぼ「.000」(打撃チャンス100回当たり安打ゼロ)である。これは得点チャンスで投手に打順が回った場合、無為にアウトを一つ取られたり、攻撃が終了してしまうなど「興ざめ」な結果を招きやすいことを示す。
DH(Designated Hitter:指名打者)制はこれを回避するために編み出されたもので、要は「投手の代わりに打つ専門、守備には入らない」選手を置いて良い、とするものである。これを使うと投手は投手に専念できるほか、例えばパワーはあるけど鈍足であるとか、守備はヘタクソとか、「強打者だがネガティブ要素が多い」選手が活躍できる道を与える。なお大谷は打者として試合に出る日はこのDHとして起用され、投手としてはもちろん、守備も不要になるよう配慮されている。
で、プロ野球において唯一このDH制を採用せず、クラシックなスタイルを守り通していたのが日本のセントラルリーグだったわけだが、高校野球がDH制を認めるのに合わせて、ついに導入するという方向になったという。賛否あろうが「DHじゃない」ことはDHの適用範囲下では不慣れによる不利をかこつ可能性があり、大勢がDHの中にあっては採用せざるを得まい。「投手の打順を念頭に置いた采配の妙」が見られなくなるのは残念だが、投手が打席に立つことによるデッドボール等ケガの可能性が低下することを合わせれば、現下妥当な判断と言えるのではないか。
同じタイミングで出てきたのはこちら。要するに目視で判別しづらい判定をビデオでアシストしようというもの。それ自体は既に導入されていて、監督の要求で「リプレー検証」として活用されているが、動画を「審判」が見て判断しているのが日本のプロ野球独自のスタイル。ただまぁアメリカ大リーグやサッカーの同様な「VAR」に比して、カメラ位置やコマ数が不足し決定的な瞬間が確保できていなかったり……あってはならないことだが、特定のチームに対して「えこひいき」をする審判がいるとの噂が絶えない。比してこれは検証専門審判室(現場じゃない審判が担当)を設けるというもの。……まぁちったぁマシになるかな?サッカーの「三笘の1ミリ」
みたいにエビデンス付きで判定結果が提示されれば誰もが納得できるだろう。
まぁ150年前のママ運営する必要はどこにもないわけで。時短・効率の時代にあって「駆け引き」と「一瞬のミスが命取り」が背中合わせのスポーツが残っていていいと思うの。
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同意です
投稿: ひろみ | 2025年8月 5日 (火) 07時40分