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2026年1月10日 (土)

DP-570SでEnya三昧

オーディオ機器を更新すると特定のアーティストやジャンルの音楽を聴きまくって「差違」にニヤニヤしている。

アキュフェーズDP-570S(以下Sさん。本機の直接の音質評価はこっち)でEnya。なおチェック曲は基本的にこれに合わせてある。さて。

Prof_visual

(公式のアー写)

I Want Tomorrow(The Celts)

一聴しての弦の立体感よ。あと、ヴォーカルが可愛く聞こえる。古い音源でアナログベースとみられるが、応じて弦に金属的な響きは感じるものの、あまりこう、ノイズ感や不透明感みたいなものはない。北欧の低く澄んだ空みたいな。聞いていてとにかく心地良い。

Watermark(Watermark)

さすがにピアノは丸く、年代なりの聞こえ方をする。さてこの曲の着目点は部屋の空気を丸ごと動かす重低音である。0:56~から出現する。とりわけ1:30近辺のは文字通り重い。この表現は欧州系の楽曲に時折見られる。氷河や永久凍土が折れる音とかいう。Sさん「あっさり」出してくる。

Orinoco Flow (Sail Away) (Watermark)

Enyaの代表曲。豊かな響きを伴った凜とした音が心地良い。多重丼ここに極まるみたいな音を重ねた曲であり、応じて高域は丸くなっちゃっているのだが、得られるハーモニクスに包まれる空間は文字通り異世界。

Caribbean Blue(Shepherd Moons)

位相差成分豊富なようで音が前に出てきてふわふわ浮かぶ。こう書いてる手元まで音が出てきて遊ぶ。アナログで重ねたっぽいザラザラ感は唯一惜しいが、「表現したかった空間」みたいなものは出せているのではないか。

Evacuee(Shepherd Moons)

ヴォーカル音像大きいのだが目の前に浮かんで手で掴めそう(掴むなよ)。ステレオフォニックとはピンホールカメラの音像版だから、ちゃんと復調すると2本のマイクの録った通りに再現するのだが、管弦楽入ってるし、別録りだとは思うのだが。質自体はアナログ的丸み・歪み感は少なくクリアだ。

Anywhere Is(The Memory Of Trees)

コーラスもご本人なので左右スピーカ間にEnyaさんが何人もズラッと並ぶ。この曲はあまり音が前に出てこず、平面に並ぶ。その並ぶ個々のEnyaさんを解像できれば勝利。

Athair Ar Neamh (The Memory Of Trees)

ホールトーンがふんだんに付加されていてどこかの教会の真ん中にいるよう。包まれる通り越して何なら後ろから聞こえてくる勢い。2チャンネルステレオフォニック侮りがたし。

Wild Child(Themes From Calmi Cuori Appassionati)

映画用の楽曲なのでバックトラックが大盤振る舞いとなる。互したヴォーカルとなるわけでスゲーなと。マルチトラックでスタンダードな構成なので、あまりこう位相差ガー音場ガーという聞こえではない。

Only Time(A Day Without Rain)

あら重低音なイントロだわ。ヴォーカルは三角形の頂点に定位。へぇ、こんなことできる(こんな音作りだった)んだ。Enya爆音で鳴らして恍惚になる向きには万感の出来映えといった鳴り方。両方の耳元で聞こえるんだぜ。

One By One (A Day Without Rain)

ヴォーカルの音像は↑と同じ。途中大きく広がって埋もれるというか沈むというか、そんな表現(に、聞こえる)。透明な水の中にいるようだわ。

Amarantine(Amarantine)

コーラスの音像があっち行ったりこっち行ったりする。ずっと余韻を引くエコー感が耳に残ってクセになる。

Stars And Midnight Blue(And Winter Came...)

音像がまるでレーダの電波のように部屋を巡る。エフェクトのホールトーンと音域による定位感の変化のイタズラだと思うが、突如音場が手前にワーッと出てきて包まれる感は悪くない。

Echoes In Rain(Dark Sky Island (Deluxe))【96/24】

これと↓だけハイレゾ。他の楽曲はCDである。一聴してワイドレンジであり、天井のつかえた感もなく無制限な感じで広がる。ヴォーカルは中央、左右、手前と様々に位置を変え、それこそ「Echo」のように音空間を醸成。こういう「スピーカで聞いてナンボ・ならではの表現」にニヤニヤできるのが醍醐味。

Astra Et Luna(Dark Sky Island (Deluxe))【96/24】

ハイレゾ野郎として安心できる音作りと言える。途中から重低音がドスンドスン入って来て、Enyaにあるまじき(?)力強い曲想が展開される。このガチガチと食むような輪郭が得られるかどうかがチェックポイントになろうか。

Aldebaran(The Celts)

インスト曲。またたきながら東天より出でしおうし座の一等星アルデバラン。凜とした冬の星空感がたまらん。

Lothlórien(Shepherd Moons)

インスト曲。娘が生まれた日にずっと鳴らしてた曲。トールキンの『指輪物語』に出てくるエルフの森の王国の名前。「花咲く地」や「歌う黄金の谷」とも……と書くだけで充分な曲。それはもう夢の中というか、どこにもない空間というか。「時間の流れが遅く、邪悪なものが入ることが難しい魔法の領域。」なるほど。

●まとめ

Enyaさんの楽曲は基本的にヴォーカル、コーラス、バックトラックを幾重にも重ねて作ってあり、応じて録音・編集システムの性能が音質に直結する。2020年代にあって1980~90年代に作られたそれを再生するのは少々厳しい局面を覚悟したのであるが、あにはからんや(古い)。それは時代なりの周波数特性の差違は感じるものの、危惧したほどはノイズは歪みは感じられず、その独特の「音に包まれる空間」を室内に再現できた。その豊かな世界は今回Sを駆動してようやく得られた感があり「なんだこいつ」とでも言うか。

深くて広い。

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