……ロマンチックだが理屈っぽいぞ。
●冒頭の能書き
星を見る鉄則は暗いところで時間を掛けること、および沢山の光を集めることの出来る大口径の望遠鏡を使うことである。国立天文台の「すばる望遠鏡」は口径8メートルでハワイの高い山のてっぺんに設置されている。

実家のある八王子は都内だが山奥なので応じて空は暗く、オリオン座の四等星「メイサ」も肉眼で見ることができる。流星群や惑星達、百武にヘールボップと、歴史的な天体の観測に苦労はなかった。

比して名古屋はぱっと見ただけでは3等星がギリギリ見えるかどうか。すなわちオリオンの鼓に似た形がどうにか追えるかどうかだ。

2024年の「アトラス彗星」(C/2023 A3)は0等級あったそうだが、夕闇もあってスマホの星景モードを使ってどうにかこうにか。
そこへ今度は「パンスターズ彗星」(C/2025 R3) と来た。明るくなっても4等級で、そりゃぁもう、まず無理。なのだが。
天体写真はデジカメ撮影に移行してから長足の進歩を遂げた。いわゆる画素数がモノを言う解像度と感度は当然なのだが、画像が「信号データ」に変わったことで、情報処理理論であるコンポジット法(加算平均)が使えるようになり、撮影した後の処理によって結果の質を上げられるようになった。

このブログをオーディオネタで覗いて下さる方は「ああ」と納得されたことであろう。ランダムノイズを含む二つの信号の和を取ると、信号は2倍になるがノイズは√2倍にしかならない……アキュフェーズが好んで使う回路構成である。DAコンバータを4つ8つ並列に動かして合成し、合成後に1/4や1/8にすると、信号は1に戻るが、ノイズは1/√4(=1/2)、1/√8(≒1/3)になる、つまりノイズを減らせる、という理論である。これを天体写真に使うわけだ。同じ天体を何度も(何分も)撮影し、足して割ってを繰り返す。ただそれは、デジカメで撮影した画像を専用ソフトで処理して……というのがこれまでアマチュアの出来たことであった。それはすなわち応じた望遠鏡とカメラに加えて、のやりかたであった。
のだが。

勝手に目標の天体を探してそれやってくれるキカイが出てきた。日本の望遠鏡メーカービクセンが取り扱っているが、めいどいんPRCである。退職金もらったし、パンスターズを撮ってみようと取り寄せた。
のだが。
肝心の朝方に全然晴れてくれないので他の天体でテストである。
●結果
スマホに制御アプリを入れ、Wi-Fiで接続する。あとは付属の三脚に取り付けてその辺に置くだけ。見える天体リストからポチると自分の位置と向きを認識してイニシャライズを行い当該天体を探して撮影を始める。
後は放っておけば良い。手始めに真上にある奴と思い、メシエ天体M66(しし座)を撮影したのがこれである。

1回の撮影で10秒露光。それを15分行った結果がこれ。なおM66のスペック(ブラックマジックじゃないぞw)は以下。
・明るさ:8.9等
・距離:3500万光年
3等星が見えたり見えなかったりの名古屋で9等級?

シミュレータ(ステラナビゲータ)に表示させるとこう。おーん。まぁ、理論上得られる結果に従っているとは言えるが。え?上の方にある横から見たハンバーガーみたいな奴は何かって?

何とM66の近くにある別の銀河。NGC(New General Catalogue)の方に収録されているNGC3628、見たまんま「ハンバーガー星雲」とか。
・明るさ:10.2等
・距離:3500万光年
撮れたの?名古屋から?本当に?ネット繋がってるのをいいことに写真かき集めてそれっぽく合成してない?←PRC製なので半信半疑
じゃぁってんで著名どころ。M104「ソンブレロ銀河」(おとめ座)

・明るさ:8.0等
・距離:5000万光年
ちなみにソンブレロというのはコイツを望遠鏡で平易に見えるようになった頃、中南米の帽子ソンブレロに似た形に見えたから。

今は解像度が高くなりすぎて「楕円状の星の集まりに円盤状の星の集まりが重なっている」様子が分かってしまい、逆にソンブレロ帽子には見えなくなっている。しかし名古屋ですよ。5000万光年!?

これは通称「子持ち銀河」M51(りょうけん座)。「ザ・渦巻き銀河」なゾウサクの方がM51で、隣の「子ども」は別の銀河でNGC5195。見ての通り近く(といっても、相互の距離は5万光年くらいはある)にあって、お互いの物質(星間塵)が橋のように繋がっている。
・明るさ:8.4等
・距離:2100万光年(アストロアーツ)
おーん。
2100万光年、3500万光年、5000万光年、からのNAGOYA……コントのオチみたいだな。
そんだけ宇宙を馳せてきた君たちワイのスマホに取り込まれてブログのネタにされたぞ。喜べw
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